12話 狂者達が描くbadend
今回の用語解説はお休みです。
今回は多少表現が15歳未満の方や人の命に関わる表現が苦手な方には不適切な表現があります。
ですのでご覧になる際はご注意ください。
またあの感覚である。
脳を直接揺らされているような、そんな感覚である。
この感覚は前にもあった。
時の流れという人の身で干渉する事の赦されぬ神の理、それをねじ曲げた時だ。
あの時は緋奈をはじめ俺の仲間達が皆死んだ、そして今回は藍が敵に見せしめの如く殺された。
そして今に至る。
「夜桜さん、もしかして楽しくないですか?」
プライベートビーチに居る、目の前には不安そうに俺の顔を覗き込む藍が居た。
「藍!」
俺は思わず藍の名前を呼びながら抱きしめる。
「ちょっ?どうしたんですか?」
藍が頬を高潮させ訪ねてくるが俺はただひたすら抱きしめるだけであったが我に返り離す、そして説明する。
もちろんこの能力の事は言えないので嘘の理由を言ったが藍は理解してくれた。
その上で怒られた。
『する時はもっとムードとか考えてください』とね。
そして時は進み再び例の神霊花装もどきが襲撃してきた。
そこから俺は何回緋奈、茜、藍、鳳姫、美緑、桃華の死を見ただろうか?
何回も不確定要素という名の運命に弄ばれ殺された、そしてやり直しまた殺された。
そして恐らく249週目の今、先程俺を含めまた全滅しやり直してきたのだが今までとは違い俺が目を覚ますとビーチはビーチでもテントの下で休まされていた。
「あ、目を覚ましたわね?夜桜」
「いきなり倒れられて心配しましたよ夜桜さん」
緋奈と藍が看病をしてくれていたが今回は何か違う。そんな気がするんだ。
そして暫くして緋奈が椎名達に呼ばれて退出し藍と二人きりになった所でいきなり藍が話を始める。
「夜桜さんお疲れ様でした、そして"私達のために何回も何回も辛い思いでやり直して"くれてありがとうございます」
いきなりの事で何を言っているのか理解出来なかったがそんな俺を他所に藍はまだ続ける。
「何回目かは分かりませんが気づいたら夜桜さんが何かを叫んだようにしたと思って耳を澄ましたら視界がブラックアウトして再びやり直してまた誰かが死んで、そのやり直しをしていく姿を見ていました」
つまり、藍は俺のシナリスの事を理解して共にやり直していたのだ。
その瞬間藍の前髪の一部が艶やかな黒から藍色に変わったのだ。
そして再び俺達は時のやり直しを繰り返しいつか皆無事に前に進むために準備を始めた。
次回 13話 動き出したdestiny
ご覧頂きありがとうございます。
12話 狂者達が描くbadendはアニメ換算だと大体一クールが終わり話が動くあたりですね、ですがSinceNowReStateはそんな事ありませんよ。
短い内容ですが13話以降の為にちょっと削りその結果がこれです。
これからもSinceNowReStateを、そして私東風陽炎をよろしくお願いします!