第1羽 早瀬小雪(はやせ こゆき) -3/5-
――なんて、考える必要は無かった。
家に帰った私は、お父さんと夕食を食べ、シフトを組みながら夢中で流行のドラマを見て。
その後お風呂に入りました。
「そう言えば、音大の方が騒々しいな、小雪」
「そう?事故かしら…テレビを―」
時刻は十一時五十分。
私が時計を見た時…カオルさんから電話が。
『小雪ちゃん!!お店がっ!!ニュースでっ!!』
「おい、小雪っ」
「―!!」
私はアパートを飛び出した。
パジャマのままで、サンダル。けれど無意識にコートを持って来ていたらしい。
曲がり角でコートを落としたけれど、そのまま走る。
黒く重たい煙。サイレン。その先に。
――お店が、轟々と燃えている!!森も!!
「おい!隼人!隼人!?はやと!!!!」
速水さんが、携帯に叫んでいる
「もっと離れて!!」「おいっ!!」
彼は、携帯を投げ捨てお店へ駆け出そうとして、消防の人に二人がかりで止められた。
「隼人が!店長が!まだ中にっ!!!!」
(!!…うそ…!!)
あの中に―!!
「いやぁああぁ--------ーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
…炎は森を少し焼いて、明け方ようやく消えた。
そして焼け跡から、男性一名。
隼人さんが、…死んだ。