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seek 10

作者: level 43

宛もなくただ車を走らせた

夜中だったせいか

関越道は空いていて

難なく上信越道に入る事が出来た

何処かサービスエリアに寄りたかったけれど

一人では何だか入り辛かった

君と一緒なら既にもう

2回は立ち寄ってるかもしれないね

別に何か用がある訳でもなく

単に冷やかし半分で楽しんでいたよね


この先、何処まで走るかは決めてないけれど

とりあえず勇気を出して

横川のサービスエリアに入る事にしたんだ




君は助手席でよく眠っていたね

いつも寝不足気味だったせいか

幸せそうな顔をして

まるで子供の様に寝ていたね

僕はそんな君を起こしたくないから

よく朝まで車を走らせたんだ

オーディオからは

心地良いジャズが流れ

それが余計に眠気を誘い

僕は一人、煙草に火を付けていた

目が覚めると

君はいつも、同じセリフを口にしたね


ゴメンね


僕は怒ってなんかいなかった

むしろ僕は、君のその何物にも代え難い寝顔を

いつまでも見て居たかった

僕はあの顔を

今でも鮮明に憶えてる




君が助手席に居た夜の高速は

少しも苦だと思わなかった

サービスエリアに立ち寄る事も、何だか楽しかったんだ

今は少し違う

一人で寄ってはみたけれど

特にする事が見つからない

仕方なく、安くて美味しくないカフェラテを飲みながら

とりあえず煙草を2本吸ってみた

それでも気分は晴れないんだ


やっぱり君が一緒に居たから

何でも楽しく思えたんだね


オーディオからは

ジャズではない、あの頃と違うブラックが流れていた

それが心地良い訳じゃなく

ただ流行りに乗って流してみただけだった

それが自分らしくないのは解ってる

でも、どうすればいいか

僕は知る術もなかった


あの無邪気で、大好きだった君の寝顔は

もう助手席には居ない


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