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やっちゃったよ!モモコVSガツク~決着編?おーわり!?~

理由は違えど皆の期待の星の満を持しての登場に広間にいた全員の視線が集まりました。

特に勇者ガツクの眼光は尋常じゃないくらい強烈です。…目がッ!目がァッァアア!…(大佐ァ!!)潰れそうです。


「えっ、あっ!」


モモコは呑気に飛び込んだ広間が呑気どころではない事を一瞬にして悟りました。当たり前です。そうでないと非常困ります。今後が今後が。


「ガ、ガツクさん…」

「モモコ…」


今まさにシスの首を両断しようとしていた勇者(笑)の情感たっぷり、普段のガツクからは想像だにできない声音にホクガン達の精神が虚ろになります。

一応の仲間であるパーティの面々のHPをザリッと奪ったガツクは続けました。


「…会いたかった」


その言葉にホクガン達は真っ青になりましたが、シス以下モモコの側近達は真っ白になりました。


「えっ…ええっ…そんな会いたかったなんて、そんな」


テレテレと頬を赤くして照れるモモコとそれに目を細めて堪能するガツク。

けっ!

な場面を尻目に、それまで目線でお互いけん制し合っていた魔王側と勇者側が応酬…有り体に言えば小声での押し付け合いが始まります。


「お前等悪役だろうが。おら勇者にケンカ売ってこい」

「何言ってるんですか。招かれざる方々は貴方達の方ではありませんか。ここは勇者側から声を掛けて貰わないと」

「あんな状態のガツクに声なんか掛けられるわけねーだろ!」

「私達だって嫌ですよ!殺されたらどうしてくれるんですか!」

「ダイジョーブダァイジョーブ。タブンシナナイカラ」

「思いっきり片言なんですけど!全然大丈夫な感じしないんですけど!」

「大丈夫だっつってんだろ!さっさと死地に逝け!」

「前と後のセリフおかしい事になってますけど!全力でお断りします!そっちが逝け!」


ホクガンとエルヴィが小声で不毛な言い合いをするのを尻目に


「あ、じゃ俺等そろそろ行くわ」


さりげに声を掛けたシスでしたが、

ドガッ

これ幸いと逃げだすシス(の服)にすかさず刺さるブレイド。


「誰が動いていいと言った」

「ですよねーサーセン」


魔王モモコは勇者ガツクとシスのやり取りを見ていましたがその際に魔王のイスが真っ二つになって転がっているを見て叫びました。


「あああああっ!!あたしのイスがぁああ!」


駆け寄り、元にな~れと言わんばかりにくっ付けたり無意味なことをしています。


「高かったのに」

「買ったんかい」


思わずつっこんでしまったホクガンを尻目にモモコは悲壮な顔で続けました。


「ローンだって残って」

「魔王が分割って何?給料とか存在すんの?新しい時代きちゃった?」


続けざまにホクガンが分析、ツッコんだその先魔王モモコ(笑)は追撃しました。


「いったい誰がこんな事を…」


ぎくう。


約一名の大男の肩が震えました。

モモコ以外の全員の目がガツクに注がれます。


さすがの鈍感モモコもガツクに注視しました。


「間違ってたら…ごめんね?もしかして、もしかしなくてもガツクさんが?」


確信してるのかわけわかんめ的セリフを


ガツクは若干俯いていた顔を上げると勇者(笑)らしく正直に答えました。


「…そうだ、モモコ。俺が、この俺が破壊した」

「…!」


魔王(笑)モモコがそうであってほしくなったというように顔を歪めました。


「いや、あの深刻そうな場面って言っていいのかわからんが、椅子壊しただけだよな」


ホクガンの若干疲れたようなツッコミに庶民思考な魔王(笑)が叫びました。


「バカっホクガンったらなんてバカなのっ!ローンはね!大変なんだから!組むときにちゃんと今後のとことか考えて!保険とか!いろいろあるんだからね!」

「ローンとかの大変な事は伝わったが、今のお前にツッコミ所満載なのもわかったな」


ツッコまなくてもいいのに、義務でもあるようにホクガンが律義に呟きます。


「…モモコ」


重苦しい低い声で勇者(笑)ガツクは言いました。


「すまない。…そこまで、お前が」

「ガツクさん…もしかして」


ガツクは深くうな垂れて、でも獲物共(シスとか)は捕獲しつつモモコに頷きました。


「…ガツクさん」

「本当にすまない。そこにシスがいたから反射的に斬りがかっ…いや、これでは言い訳がましいな」

「…しょうがなかったんだね…ううん、いいの」


全てを許す、慈愛の女神の様にモモコは微笑みました。魔王なのに。

あと、しょうがないから斬りがかってもいいものなのでしょうか。 


「ローンは何とかするから、ガツクさんは気にしないで」


さりげなくですが、ローン、ローンと繰り返すあたり、本当は気にして欲しいのでは。と周囲が思った所で

クーザ・ショットがそっと、本当にそっとモモコに囁きました。


魔王様、セリフとか設定が違います」


みんなこの時点でどうでもいいですよ。作者もね。


なのに、即座にガツクに射殺かねんばかりに睨まれたのは言うまでもありませんが。勇者とはお前の事を言うのかもしれん。


ハッとした様な(いろいろ、イロイロ、色々、遅い)モモコは、てれてれした表情を強ばらせてガツク達勇者パーティ(笑)にようやく対峙しました。


「…えっと、よっ、よく来たな!勇者共!」


…………………………………………。


…で合ってるよね?ヒソヒソと側近(笑)に囁くモモコは周囲からは生暖かい視線を注がれました。

空気を読んだクーザとエルヴィは「大丈夫です。」と頷き、先をどうぞとモモコを促しました。

フンヌと両手を握ったモモコは力強く頷き返すとガツクパーティはほんわかしました。取り敢えずの敵に( ´ ▽ ` )してどうする。


「ゆ、勇者よ!我が力を見せてやろう!」


魔王がピャッと出した波動?ぽいものはガツク達に届かないうちに消えました。ポスってポスっみたいな

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

爆心地に恐ろしい程の静けさが。


「……………さすがは魔王。だが我が身には効果はないようだ」


ガツクが普段は絶対に発揮しない気遣いでモモコを救いました。本当に出ました。作者もビックリの拾い上げ出ました。


「あ、ああ、うん?そう…だぁな?」

「よく頑張ったわね!モモコ!可愛かったわ!」

「あれでいいのかのぉ?まぁ皆よければそれでええか」


「セリフを大体言い切ったのはいいのでは」

「ああ、まぁでもぜんっぜん相手にダメージ与えてねぇけどな」

「それ、貴方が言います?」


進行をすかっと忘れていた魔王様(笑)はカンペをチラッと見、( ゜д゜)ウム確認した後おもむろに身を翻すと勇者ガツクにどっかからか取り出した剣を向け、


「では!終いだ!」


と、斬りかかっ…たのですが、


「ぶっ!」


安定のドジですっ転び、鼻を強打。


「あいててて…」


モモコが鼻を擦りつつ顔を上げた時―――




奇跡が起こったのです




すっ転んだ拍子になんのイタズラか、それまで頑なに被っていたフードが被り落ちました。

そしてそこから現れたのは。


猫耳が生えた 人間姿の モモコだったのです


その、あまりの愛らしさにその場にいた全員が停止しました。


ピョコんとした猫耳、あうあうとした表情、アワアワしながら何とかしようスル仕草。

モモコの全てがそこにいる全員をキュンキュンさせていました。



「……………」


ガツクなどものも言わずすぐさま抱きしめたほどです。


「あっ、いや?ガツクさん?私達敵同士で」

「わかった。お前の借金は全て返すし、お前の配下、いや、同僚か?それらは全員雷桜で面倒を見る」

だからみんなフード被ってて、それで居所が欲しくて魔王とか、侵略とか言ってて、それであの、

など、ぶつぶつモモコが言ってますが猫耳が生えたモモコに心の底からやられてしまっているガツクには関係ありませんでした。


「大丈夫だ。俺等は元々多民族だし、亜種族も受け入れてきた。亜種族は力も強く手先が器用な者も多い。嫌がる者はおらん。逆に喜ぶと思うぞ」

「あ、あの、私達みんな…亜種なんです」


説得だし、言い聞かせですし、言い負かそっているし


っえ、でも、でもとか魔王?魔王モモコが戸惑っているうちにあれよあれよとでっかいドラゴンに乗せられ、王宮に連れられ、気付いたら純白のドレスを着てすうごい大勢の皆さんの前で誓わされました。


「永久に俺と番うな?永久に、永久にだ」

「あー……あー…ハイ」



いきなり結婚とかしたけど、いいのかなぁ?

いやでも長く疎まれた私達にはよかった…かも?

なんか、新たに災難が私達亜種に始まった気がしないでもないけど、前までではいいのかな?


取り敢えず



「まっ、問題は先送りにしようぜ」


で、!

これで大丈夫なのか…

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