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To.しうぼさま、ぱれぼさま

 知っておるかの、しうぼさま。

 

 ぢぢぃはもう老い先みじかいんじゃぁ。

 じゃから、死んだ後の身の振り方をかんがえにゃいけんのんよ。

 

 で、今はのぅ、しうぼさまの後ろ頭にとりつこうかと思うておるんよ。

 後ろ頭にとりついてのう、毎日おどってくらそうと思っておるんよ。

 

 毎日毎日、ぶざまなおどりをおどる、でぶのぢぢぃを後ろ頭につけて

 おめさまは学校とか会社とかに通うんよ。

 見える人には見えてしまうかもしれん。おもしれぇのう。

 

 坊さんとか神主とかにお祓いされるかもしれん。

 でもぢぢぃは、神様も仏さまも信じておらんけん、平気じゃぁ。

 

 あきこさんに金光様に連れてってもろて、お札をもらうかもしれん。

 後ろ頭の毛をぞりぞりそってのぅ、つるつるにしてのう

 糊でぺたちょとお札をはるんじゃぁ。

 まるでキョンシーの逆じゃのぅ。

 あべこべキョンシーとか、さかさキョンシーとか言われるかもしれんの。

 

 そんでもっての。

 夜になったら、しうぼさまの首をしめるんじゃ。

 きゅぅっと、きゅぅっと、しめるんじゃ。

 しうぼさまが起きそうになったらの、ぱっと放すじゃ。

 朝までくりかえすじゃぁ。

 

 

 ところでの、ぱれぼさまの方なんじゃが、最初ぱれぼさまも後ろ頭を

 別荘にしようかと思っておったんよ。

 

 ところが、ある日気がついたんじゃぁ。

 とりつく相手がおるんなら、化けて出る相手も必要じゃなあと。

 

 おめぇの好きな「稲川淳二の真夜中のタクシー」の小学生みたいにのぅ。

 黄色いお帽子かぶって、半ズボンで、ランドセルしょってのぅ。

 血まみれで夜な夜な夢枕に立って言うんじゃ

「オ・マ・エ・かぁ」ってのう。

 

 別にぢぢぃは、トラックに轢かれて死ぬわけじゃないからのう。

 おめが

「違いますぅ!」

 とか言っても、関係ないからのう。

「いや、オマエだぁ。」

「オマエに違いない。」

「オマエは、許さん!」

 とのぅ、絶対居なくならんのじゃぁ。どんとはらい。

 

 ええじゃろ。すてきじゃろ。

 これぞ、充実のお化けライフというもんじゃぁ。

 

 そういうわけで、死ぬ前はおめらの面倒にはなる気はないけどのう。

 死んだあと、ちょっとだけ、ちょっとだけ、厄介かけるでのう。

 ゆるしとくれのぅ、しうぼさま、ぱれぼさま。

 

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