表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無敵の隠密おじさん、国境を超えて爆破してきたが、Xのフォロワーは3人  作者: ゼンショー・シマァス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/15

第06話 洋上プラットフォームの戦い

 深夜の洋上。荒れ狂う波の音に紛れ、テロリストたちの小型ボートが巨大なプラットフォームへと接近する。

「一気に制圧するぞ!」

 親玉が銃を掲げて叫ぶ。男たちは「おおお!」と士気を高めているが、当のジャックこと俺は、ボートの隅でスマホの画面の明るさを最小にして設定を確認していた。


(海の上は暗いから、シャッタースピードを遅くしないと……。いや、爆発の光があるから大丈夫か)


「おいジャック! お前も来い!」

「あ、はいはい。お疲れ様ですー」


 俺は新人らしく元気に返事をして、男たちと共に梯子を駆け上がった。

 プラットフォーム上では、警備兵とテロリストたちの激しい銃撃戦が始まった。飛び交う銃弾。耳を劈くような金属音。まさに戦場だ。


 だが、俺には関係ない。

 俺は銃を構えるふりをして、スルスルと戦場の中心を通り抜けた。誰も俺を撃たない。警備兵も、俺と目が合うと「あ、作業員の人? 逃げ遅れたの? 危ないからあっち行って!」と親切に誘導してくれる始末だ。


「ありがとうございます。お仕事頑張ってください」


 丁寧にお礼を言いながら、俺は心臓部であるガス加圧ユニットに特製爆弾を設置した。

 今回の仕掛けは豪華だ。ただ壊すだけでなく、海面にガスを噴出させて火の輪を作るように計算してある。


「よし、設置完了。あとは……シャッターのタイミングだ」


 俺は、タイマーを起動した。


 テロリストたちは「爆破準備完了だ! 退避しろ!」と叫びながらボートへ戻っていく。俺もドサクサに紛れてボートに飛び乗り、プラットフォームから数百メートル離れた地点でスマホを構えた。


 ――ドォォォォォン!!


 計算通り、海面から巨大な火柱が立ち上がり、プラットフォームを包み込んだ。夜の海が真っ赤に染まり、地獄の業火がガスコンロのような円を描いて広がる。


 今だ!


 俺はボートの縁に腰掛け、背後の大炎上をバックに、テロリストの親玉が勝ち鬨をあげている隙に自撮りをした。

 火柱とその周りを囲む円状の炎、俺の顔は少しブレたが奇跡的の一枚が撮れた。


「撮れたぁぁ!」


 俺は歓喜した。これこそ、世界が求めていた臨場感だ。

 翌日、帰国した俺はすぐさまXにアップロードした。


【無敵の隠密おじさん:@lonely_shadow_45】

『プラットフォーム爆破。ちょっと火力が強すぎたかも? #海上プラットフォーム #爆破 #大炎上』


 今度こそ。今度こそ1万いいねは固い。

 だが、一時間後にアプリを開いた俺の目に飛び込んできたのは、赤い警告メッセージだった。


【あなたのアカウントは一時的に制限されています。】


「な、なんだって……!?」


 通知欄を見ると、そこには警告する文章が並んでいた。


『この投稿は「テロリズムを助長するコンテンツ」または「暴力的な表現」として多数のユーザーから通報されました』

『不適切な投稿を削除しない限り、機能制限は解除されません』


 さらに、数少ないリプライにはこうあった。

『うわ、不謹慎。テロ事件の動画を使って自撮りとか正気?』

『コラの技術は凄いけど、人間性が終わってる。通報しました』


「違うんだ……! コラじゃないんだ! 俺が! 俺が現地でやったんだよ!」



 俺は倫理観の欠如したコラ職人としてネット社会から叩かれた。


通報しないでね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ