第1話:諸刃の剣(つるぎ)と、二つの証
村の広場に、村人Bの元気な声が響いた。
「なあ、マスター! 悪いようにはしねえから、あんたの『騎士団専用のすごい薬』を分けてくれよ。明日までに筋肉痛を治して、隣村まで荷物を運びたいんだ!」
聖騎士は、愛剣の鞘をカチリと鳴らしながら首を振った。
「ならん。あれは医師という名の『鑑定士』が診断を下し、処方箋という『許可証』を受けた者だけが扱える医療用医薬品だ。それにあれはモネ『薬剤師』がだすものだ。お前のような素人が自己判断で手を出すものではない」
「ケチだなあ。薬は薬だろ?」
不満げな村人Bに、薬局のカウンターからモネが顔を出す。
「違うわよ、村人Bさん。ここで扱っているのは、一般用医薬品。自分の体調を見ながら、自分自身で使うことを前提に作られている安全な薬よ」
見習いは慌てて手帳を広げる。
「えーっと……お医者さんが出すのが『医療用』で、僕たちが売るのが『一般用』ですね?」
「その通り」
聖騎士が頷いた。
「医療用は効果が高いぶん、リスクも大きい。だから医師の監督が必要だ。一般用は、お前たちが『セルフメディケーション』――自分の健康を自分で守るための手助け――のための道具だ。だがな……」
聖騎士は村人Bが握る市販の薬箱を指差す。
「たとえ一般用でも、用法・用量を守らなければ毒になる。お前、さっき三倍飲もうとしていただろう? それはもう薬ではなく『自傷』だぞ」
村人Bはたじろぎ、肩をすくめた。
「……一錠にしておくよ」
◇◇◇モネの調剤室・ワンポイントアドバイス!◇◇◇
「お疲れさま、見習い君。ちゃんとメモ取れたかしら? 今日のまとめを、もう一度おさらいしてあげるわね」
二つの「証」の違い
医療用医薬品:医師の診断(処方箋)が必要な、特定の人のための薬
一般用医薬品:誰でも自分で選べる薬、セルフメディケーションの道具
セルフメディケーションって?
自分の健康は自分で守る、前向きな考え方のこと。一般用医薬品はそのための大切な道具よ
ここが大事!
手軽に買える薬でも、用法・用量を守らないと毒になり得る
体質や状況によっては、副作用が強く出ることもある
◇◇◇ モネの補足メモ:副作用を知って、安全に薬を使おう◇◇◇
副作用って何?
薬の本来の効果とは別に、体に出る意図しない反応のこと。体質や年齢、他の薬との組み合わせで変わることもあるの
怖がらなくて大丈夫
正しく使えば副作用はほとんど心配なし。逆に用法・用量を守らないと副作用が強く出たり、効き目が変わることもある
試験に出やすいポイント
副作用は誰にでも起こる可能性がある
用法・用量を守ることが最も大事
他の薬や食品との組み合わせで影響が出ることもある(相互作用)
読者へのアドバイス
「ただ暗記するだけじゃなく、自分の体に置き換えて考えると覚えやすいわ。覚えた知識は必ず過去問で確認して、何度も手を動かして身につけてね」
読んでくれてありがとうございます。




