第一話 死んで二回目の転生を果たします
1500文字以下のサクッと読める物語です。
アルファポリスで書いている「本当は私、最強なんです」という作品も、ぜひ読んでみてください。
悪役令嬢であるクローディアは、道行く馬車が自身の目の前に走るのを見た。
(あ………これ、死ぬ、かも……)
女子高校生の美幸は、ある日トラックに轢かれた。
そして、悪役令嬢であるクローディアに転生したのだ。その後、やりたい放題して暴れ回っていた、罰だろうか。
(や、やだ………どうしよ………)
考えている隙に、馬車はどんどん迫ってくる。
(これ……前世と同じ死に方………)
ドォン!!!
そしてクローディアは…………亡くなった。
目を覚ますとーーー……また、違う自分の姿。
胸も前世よりいくらか大きくなっている。(嫌だ恥ずかしい)
頭をぺたりと触ると、綺麗にお団子になっている。
服は、見たこともない。
(和服………?)
前前世で着たことあるような。
年は16、17、18くらいだろうか。
「この娘か!」
「あぁ。そうだな!」
「ふぇ?」
口を包帯のようなもので塞がれる。
そして手脚を縛られ、荷車のようなものに詰め込まれる。
「んんーーーっっっ!!!」
「大人しくしろぉ!」
(こーーーわーーーいーーー)
「お前は親に売られたんだよ!」
(売られた……?)
意識が、少しずつ朦朧としていく。
そして、なにも、考えられなくなったーーー………
次に目を覚ました時、そこはーーー
豪華な建物。城のよう。城の和風版、たといったところだろうか。
「どこ、ここ……」
「ここは後宮よ。そんなことも知らないの?」
左隣にいた少女が声を掛ける。
「後宮?なにそれ?」
「はーーー?まじで知らないわけ?どこから連れてこられたのよアンタ!」
「人攫い………。私、親に売られたんですって。」
「………!なんか、ごめん………えと、えっと………」
「いいえ、いいの………。」
にこっと笑うと、少女は申し訳なさそうにオロオロする。最初は何この人……って思ったけど、気が強いだけで悪い人ではないっぽい。
「これから、皇帝の寵妃を選考する!皇帝が身分の低い者を見てみたいと申したので、本来ならば女官となるものもここに呼んでいる!!」
(そういうこと……。おそらく、女官というのは前世でいう侍女のようなものね。)
「でも、性格悪いわね。わざわざ下の階級のものがみたいだなんて。」
小さな声で右隣にいた女の子が言う。
おそらく、この少女も身分の低いものなのだろう。
「あたし、凛風。よろしくね。一緒に皇帝に反抗しよ!」
(は、反抗………?ふ、不敬罪……?)
「あ、そだ、私は暁蕾よ。さっきはごめん。一緒に頑張りましょう。」
左隣の女の子も自己紹介した。
「「貴方は?」」
え、えーっとぉ……え、私、名前わかんない!「クローディア」っていうわけにもいかないし………!え、どうしよう、ええーーー………
「え、えっと、私、記憶喪失、で………」
「またまたごめんなさい!!」
暁蕾、本当ごめんさっきから………
「そうなんだ、私と一緒だね。」
「へ?」
「あたしも、記憶喪失でさ。この凛風、っていう名前はね、養母がつけてくれた名前なんだ。」
「そうなんだ………!」
凛風も、わたしと一緒なんだ。転生者?
そんなわけ、ないよね………
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