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✴︎追放令嬢は闇魔法で無双する✴︎第二章  作者: ちょこだいふく


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14話✴︎ノクティスは家族

ノクティスが孵化して数日。

アーリントン公爵邸の広間では、まだ羽も柔らかく、鱗も半透明の幼竜がクラウディアの膝にすっかり収まっていた。


「……こら、そんなに噛んだら痛いわよ」

クラウディアは笑いながら小さな牙を受け止め、指先に小さな影を生み出して戯れる。

ノクティスはそれを追いかけて、子犬のようにきゃるきゃると声を上げた。


「完全にクラウディア様に懐いてらっしゃいますね」

フィンが微笑みながら言うが視線は熱心だ。

彼の膝の上にはすでに分厚いノートとインク壺。ページには〈竜の成長に必要な魔力量〉〈魔力の吸収傾向〉など細かい記録がぎっしり書き込まれている。


「フィン、また書いてるの?」

セレナが覗き込むと、彼は真剣な顔で頷いた。

「竜は基本的に“魔力を食べて生きる”みたいだ。食物も摂るけど、成長の核は魔力……。この子の吸収量は特に異常だよ。クラウディア様が中心に注いでいらっしゃるが、負担を分散できる方法も探さないとな」


クラウディアはノクティスの小さな翼を撫でながら微笑む。

「大丈夫よ。私にとっては心地いいくらいだわ。……でも、あなたが調べてくれるなら、もっと安心できるわね」


その時、アレクが笛を口にして短く吹いた。

次の瞬間、広い庭の空気が震え、巨大な影が舞い降りる。

「ニブル!」とクラウディアが立ち上がると、黒き竜は金の瞳を細めて幼竜を見つめた。


「……その子の名は、ノクティスだったな。よく育っている」

ノクティスは一瞬きょとんとしたあと、嬉しそうに小さな鳴き声をあげ、巨竜の鼻先へ飛びつこうとする。


「ふふ、もうすっかり家族ね」セレナが小さく笑った。


だがニブルは静かに首を振った。

「喜ばしいことだ。しかし――お前たちは気をつけねばならぬ。竜の存在を利用しようとする者は必ず現れる。幼竜は特に狙われやすい」


レオンハルトが重い声で言葉を継いだ。

「だからこそ、この屋敷の防衛を固める必要がある。結界を張り直し、幻影を施し、常に備えを怠らぬことだ」


クラウディアはノクティスを抱きしめ、真っ直ぐに言った。

「どんなことがあっても、この子は私たちが守るわ。兵器でも、利用される存在でもない。……家族だから」


ノクティスは彼女の胸元に顔を埋め、甘えるように小さく鳴いた。

その音は、まだ幼い竜の声でありながら、確かに「信頼」の響きを帯びていた。


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