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ライゼの旅路/孤児院を追い出され、自由な旅へ  作者: 八木諏訪 裕翔
第一章『嚆矢のベルグブルグ』
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第一話 はじまり

初?投稿

魔法や不思議な生き物、奇跡が存在する剣と魔法の世界に…1人の少年が生を受けた…


【交易国家ベルグブルグ/アン・ファング村】

孤児院近くの丘にて


「おーい!ライゼー!シスターが呼んでる…って、また魔術の本読んでる!」

「…ん?あぁごめんよ、呼びに来てくれてありがとう、キント」


ライゼと呼ばれた黒髪に薄灰色の目をした少年は本を閉じると、自分を呼びに来てくれたキントという子供の頭を撫でる。


「ん〜…ねえ、魔術って面白いの?」

「んー、面白いよ…よく分かってないけどね」

「分かってないの!?」

「分かってないよ‥僕はまだ魔力を知覚できてないし‥」


彼はライゼ、この辺りでは珍しい黒髪と薄灰色の目を持つ少年であり孤児である。


「(僕の年齢なら知覚してもおかしくないけど‥やっぱり才能ないのかな‥)」


「ねぇってばぁ!ライゼ!」

「あ、あぁごめんごめん、考え事をしていたんだ」

「んもー‥そういえばこの本どこにあったの?見たことないけど」

「‥タマタマミツケタンダヨ(立ち入り禁止の書斎の奥でね)」


この世界には、さまざまな奇跡を引き起こす力や術が存在する。

魔術もその1つであり、この交易国家ベルグブルグは魔術がポピュラーらしい。


「ふーん…ってそうだ!シスターが呼んでるんだよ!急いで!」

「‥‥(あー、これ叱られるかなぁ‥)」


観念した顔をしながら、ライゼは孤児院がある教会へ走る。


「(孤児院に居られるのもあと4年か…今のうちに手に職をつけないと…)」


彼らの育った孤児院は、この大陸で信仰されている十二神教という宗教の教会に併設されている。そして16歳になったら孤児院を出るか、聖術師というものになる修行をするかを選択出来る。

ちなみに聖術師は聖術という奇跡を扱う者たちである。簡単に言えば魔術師の別バージョンだ。


「とはいえ‥聖術師はなんか‥気難しそうでなりたくないなぁ」


――――――――――


あの丘から走って数分後、教会へ戻ってきたライゼはシスターの部屋に向かう。


この孤児院を経営しているシスターは70歳の銀髪のおばあさんで、元々聖術の聖地である聖王国の聖術師だったらしい。口は悪いがいい人だ。


そんなシスターのいる孤児院に戻って開口一番に


「口減らしだ、明日出ていきな」

「えぇ…」


こうして12歳の少年ライゼは、旅に出る事になった。

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