第二百六十一話 相思相愛
アレクは、ルイーゼにキスする。
「ルイーゼ」
「ん?」
「・・・ずっと一緒だよ」
「・・・うん」
相思相愛の二人は、愛し合った余韻に浸りながら、眠りに就いた。
-- 翌朝。
アレク達は、駅付属のホテルで朝食を済ませると、再び列車に乗り込む。
列車は、定刻通りに帝国軍要塞『狼の巣』駅を発車して港湾自治都市群へ向かう。
アレク達の乗る列車が港湾自治都市群の最初の都市であるデン・ホールンに着いたのは、昼を少し過ぎた頃であった。
車掌は、廊下を歩きながら告げる。
「次の停車駅は、デン・ホールン。デン・ホールン。・・・貨車の換装と軍用列車の通過のため、翌朝まで二十時間、停車致します」
車掌の案内を聞いたアレク達は、荷物を手に駅のホームに降りて集まる。
アルは、悪態を突く。
「・・・なんだ。また停車か」
ナタリーは、アルを諭す。
「アル。しょうがないわ。貨車の換装と軍用列車の通過があるんだから」
アルは呆れたように呟く。
「それはそうだけど・・・」
ルイーゼは、アレクに尋ねる。
「アレク。今夜の宿を探さないと」
ルイーゼの問い掛けにアレクも同意する。
「そうだね。宿を探さないとな」
トゥルムは、口を開く。
「隊長。宿を探すなら、この街の近くに私の故郷がある。私の実家に泊まると良い」
アレクは、驚いたように答える。
「そうなんだ」
ドミトリーも口を開く。
「そう言えば、お主、『故郷は港湾自治都市群の近くだ』と言ってたな」
トゥルムは、答える。
「うむ。皆に家族を紹介しよう」
エルザも口を開く。
「私、蜥蜴人の村って、行ったことが無いわ。皆で行ってみましょう」
ナディアもエルザに同意する。
「そうよ。急いでいる訳でもないし。皆で行ってみましょう」
アレク達は、トゥルムの故郷の村に向かう。