第百九十七話 エルザの慰め
覚悟を決めたアレクは、ジカイラ、ヒナ、ネルトンの三人に向かって告げる。
「今回の件は、全て隊長である自分の責任です。叱責や処分は、自分の方へお願いします」
アレクの言葉に周囲は驚く。
小隊の女の子達は、驚きを隠せず次々に口を開く。
「ええっ!?」
「そんな!」
「ちょっと!?」
「アレク!?」
ジカイラは、その様子を見て口を開く。
「まぁ、オレとしては、本来の任務であるティティスの探索とカスパニア軍の動向を探る情報収集は出来ている訳だし、むしろ、小隊規模の戦力で良くやったと言いたいところだが・・・」
ジカイラはそこまで口にすると、横目でチラッとヒナの様子を窺う。
ヒナは、無言で厳しい視線をジカイラに送っていた。
ヒナと目線が合ったジカイラは、歯切れ悪く続ける。
「・・・やり過ぎた感じは否定できないな。アレク、お前の考えは判った。皆、解散して各々のテントに戻って休め。今後の事は、追って連絡する」
アレクは力無く答える。
「・・・判りました」
アレク達は司令部のテントを出て、各々、自分のテントに戻り、休憩する。
アレクは自分のテントに戻ると、ベッドに腰掛ける。
そして、靴を脱いで両足をベッドの上に上げると、頭の後ろで両手を組んでベッドの上に横たわる。
目を閉じて、今後の事や下される処分がどのようになるかなど様々な事を考えていると、気分が落ち込み、思わずため息が出る。
「ふぅ・・・」
落ち込んでいるアレクが横になって、一人であれこれ考えていると、アレクのテントをエルザが覗き込んでくる。
「ア~レ~ク!」
アレクが自分を呼ぶ声がした入り口の方を向き、エルザと目線が合うと呟く。
「なんだ・・・、エルザか」
エルザは、ベッドの横になっているアレクの隣に腰掛けると、アレクに告げる。
「『なんだ』とは、何よ~! ユニコーンの獣耳アイドルのエルザちゃんが、落ち込んでいるアレクを慰めに来てあげたのよ! 喜んで! ホラ、もっと喜んで!」
アレクは、自分を励まそうと傍らでおどけて見せるエルザに寂しげに微笑む。
落ち込むアレクの顔を見たエルザは、横たわるアレクの胸の上に身を預けると、アレクにキスする。
「んんっ・・・」
アレクにキスし終えたエルザは、身に付けているビキニアーマーを外して裸になると、アレクの頭を胸に抱き締めて囁く。
「アレク。元気出して。・・・落ち込んでいるアレクは、見たくないの」
「・・・エルザ」
アレクはエルザを抱き締めると、自分が上になるように体勢を変え、再びエルザにキスする。
「んんっ・・・」
獣人三世のエルザも、人間の女の子と変わりは無かった。
エルザに促されてアレクも裸になると、エルザを抱く。
エルザの女の柔肌が落ち込んでいたアレクを慰める。
交わりを終えたアレクは、エルザに腕枕をして傍らに抱いてキスすると、そのまま二人は眠りに就いた。