第九十四話 アレクとナディア
アレクは、懇願するナディアの上に乗るように抱き締めてキスする。
「んっ・・・」
エルフであり華奢な身体のナディアは、アレクが両肩を抱いて抱き締めると腕の中にすっぽりと納まる。
口でのキスを終えたアレクは、耳たぶ、首筋、胸元へと順にキスしていく。
ナディアは、自分の身体にキスするアレクの頭を撫でる。
ナディアは、アレクに話し掛ける。
「・・・アレク」
「ん?」
「・・・上手い」
「そう? ありがとう」
アレクは、ナディアに尋ねる。
「・・・ナディア。初めての相手がオレでいいのか? 本当に?」
アレクからの問いに、ナディアは微笑みながら頷く。
アレクはナディアを抱く。
エルフであり、普段はアレクや周囲に『お姉さん風』に振る舞っているナディアであったが、今、こうしてアレクに抱かれているナディアは、普通の人間の女の子と何ら変わらなかった。
交わりを終えたナディアは、アレクの頬を左手で撫でるとキスする。
ナディアがうっとりとアレクを見詰めて呟く。
「・・・ふふふ。女にされちゃったわ。・・・アレク、優しいのね」
ナディアは、自分を抱くアレクの胸に右手の人差し指で文字をなぞりながら続ける。
「このまま愛し合った余韻に浸っていたいけど・・・。エルザが待ってるわ」
アレクは、ナディアに軽くキスするとナディアの元を離れ、隣のエルザのベッドに向かう。