開合1
いええい
文革の飽きるね
「え、嘘…なんで彼が」
もはやクラスメイトの他の自己紹介に裂ける脳みそはなかった。
それくらい彼、長篠明の登場に頭を焼かれている。
(彼は高校進学に関する情報がなかった…なぜここに来たんだ?)
様々な思考を巡らせている中、自己紹介のバトンが届いてしまった。もう少し考えに没頭することも出来たがしかし高校最初の印象決めタイムである。下手に最悪な印象をつけたくない。
「俺の名前は、雨野杭です....」
無事自分の自己紹介が終わり、ほっと一息付けるタイミングが来た。
(ふう…何とか自己紹介が終わった)
一度座りなおす。緊張のせいか汗が出ていたようだ。座るとき服に体が引っ張られる感覚がした。
汗のせいもあるだろうがそれ以上に彼に対する興味があった。
長篠明、TOFのU-15大会の世界大会に出場した日本チーム「storyCat」のキャプテン…
史上最悪の日本チームと言われその実績とともに恐れられ尊敬される人物。
(彼がなぜここにいるのか…知りたい…!そしてあわよくば....)
その時、長篠明が立った。どうやら彼の自己紹介が始まるらしい。
「みなさん初めまして。僕は長篠明です。長いに篠笛の篠、明るいと書きます。
部活はゲーム部に所属してました。最近は映画やバスケとかで遊んでます。」
普通だ....普通過ぎる…これはあれするしかない....
あれとは尾行!すなわち尾行!
彼をつけて俺の知る長篠明かどうか見極めるんだ!
つづく




