表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

壊れた聴覚

作者: 音澤煙管




「陽が沈み、薄暗くなった部屋で……

それでもぼくは灯りは点けない。

なぜ?だって?!

野暮なことを聞くんだね?


じゃあ言おう!

この瞬間からは、耳がとても

敏感になる時間だからさ。


目を開けて居ても薄暗く、

目を閉じると真っ暗になる。

当たり前のことだけど……

そしても一度目を開けるんだ。


……ほらね?

また、昼間みたいに明るくなるだろ?

コレを何度も繰り返すんだ。


そうすると不思議なことに、

耳に聞こえる音たちが、

昼間みたいには聞こえなくなる。


そして、この時間に飛び交う

蝙蝠たちを目で追える様になる。

時には羽ばたく音や会話も聞こえてくる。


それがどうかした?って?!


この時間からしか動けない、

これから夜に生きる者たちの

話が聞こえる様になるんだよ。


どう?不思議だろう?!


だから、灯りはまだ点けない。

灯りは、今生きる者たちの声が

聞こえなくなっちゃうからね。


わかったかい?先生。」





月一度、かかりつけ精神科の

カウンセリングへ来ている。

ぼくは正常だけど、皆がおかしいと言うから、先生に毎回説明に来ている。

先生は幻聴と言うけれど、ぼくの頭も耳も正常なんだよなー


来月はココへ入院して、先生以外の患者さんたちにお話しする予定なんだ……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ