聖菜とのなれそめ
真理が死んで少し経った頃、友人が少しでも励まそうと、いろいろな場所に連れまわされた。10年だ。真理と過ごしたのは。それを、たった一晩でなくしてしまった俺にとってただの迷惑でしかなかった。キャンプ場にも連れていかれた。聖菜とはそこで出会った。当時聖菜は大学生、28歳の俺なんておじさんといわれても仕方ない。だが、話しかけてきたのは聖菜からだった。
その一言目は「お兄さんそんな暗い顔してないで、たのしみなよ!」
自分はもともと陽キャではない。真理に最初話しかけられたときは、年上の貫禄というものを感じたし、こんな落ち込んでいるというわけではなかったので普通に話せた。
しかしその時は違った、相手は年下だし、落ち込んでいる変な奴に平然と話しかけてくるおそらくコミュニケーション能力かとてつもなくすごいやつ。
その結果どうなったか。俺はフリーズした。まるで回線の遅いパソコンのように。
でも、少し話すと次第に慣れてきて、普通にはなせるようになった。
話していると趣味も似ていたし、聖菜もキャンプに来たものの、浮いていたらしいく、そのまま仲良くなった。
まあ、これが聖菜と俺のなれそめだ。