7:異世界で一晩!!
ガチャッガチャッガチャッ
ドアを何回も開け閉めしたが、あの汚い現実のトイレは現れなかった!!
(どうしよう〜〜このままだと、妹と弟が飢え死にしてしまう!お父さんは一週間帰ってこないし…)
ウロウロとトイレを回っていると、
「おい、お前帰るんじゃないのか?)
とアモン君がいつのまにか立っていた
帰りたいけど、帰れないんです〜!!
私はパニック状態で声に出すことが出来なかった。
「おやおや?どうしたレディーちゃん〜」
なんか、奥の方からゾロゾロと集まってきた!
「異世か…い、一花店はもう閉めるからさっさと行け。」
あ〜だからみんなこっちにきたんだ〜
嫌、そんなことより私どうしよう〜⁉︎
「もしかして、帰れないのか?」
さすがアモン君!!でも声が出ないので首を縦に振った。
「じゃあ、僕の家で一晩す・ご・す♡」
セラミーさんがそう言った時は無意識のうちに首を全力で横に振った。
「どこか、キモセラミー以外で泊められる人いないか?」
店長がみんなに聞いたが、みんなはう〜んとなぜか困った顔をした。
家に事情があるのだろう……。
わ〜んいいもん!野宿するもん!!
そう思い、外に出ようとしたら店長が腕を掴んだ。
「条件付きで、二階にある部屋を貸してやってもいい。」
「やった〜!!」喜びと同時に、声が出るようになった。
ただなぜか、すごく顔が真っ赤になったアモン君も店長も
「ただ、条件と言うのが、その部屋にアモンがいると言うことだ。」
はぁ〜⁉︎
店長がなんて言ったか最初は分からなかった。
「待って待って、店長何考えてるの年頃の男女が同じ部屋で一晩なんて⁉︎」
考えるだけでも恥ずかしくなってくる。
「じゃあ、後は二人で考えな!じゃあな」
店長は風のようにスラリと逃げて行った。
………。
残された二人は、ただ呆然と突っ立っていた!!
「だ、大丈夫……何もしないし俺は別の所で寝る。」
アモン君はそう言い、カウンターの横にある階段を上がり始めた。
部屋の中に入るとそこは、とても広々していた。
家具は机と椅子にベットと棚とソファーがあるだけだ。
だが、机には大量のレシピ本が山住みになっていた。
アモン君がメモしたと見られる紙も椅子の上に沢山置いてあった。
「隣に、風呂とトイレがある。俺は料理の勉強してるから先に入っていいぞ。着替えは店長のがある」
それだけ言うと、アモン君は机を整頓し本を読み始めた。
うううっ緊張する!!でもアモン君はあんなことしないし……
エイっ迷ってないで、入ろ〜
(もし、このまま帰れなかったら私はずっとこんな事を…。)
お風呂の中は、ジャングルのようにツルが伸びていて風呂の大きさと言ったら
7人兄弟がみんな入れるくらい大きかった。
おまけに、風呂には本が何冊か浮かんでいたので恥の方に置いといた。
紙のはずなのに…これも魔法なのだろうか……
本は全く濡れていなかった!!
そろそろ出ようっと〜〜
タオルで体を包み込んでお風呂を出た!!
すると!!!!