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一話完結小説

悪魔「何でも願いを3つ叶えてやる」

作者: ケイ

17作目です

~会社~


上司「お前何やってんだよ、今時こんなミス誰もしねーぞ」


俺「すみません」


上司「たく、お前みたいな奴は給料ドロボーて言うんだよ」


俺(そこまで言わなくてもいいじゃないか。ていうかこのミスはあんたが確認するのを怠ったから発生したんだぞ。俺だけの責任じゃねーだろ)



~帰り道~


俺「はあー今日も上司の怒鳴り声でもう精神が限界だ。車でも突っ込んでこないかなあ」


俺「たく、何言ってんだ俺は」


人生に疲れていていた俺の目の前に古本屋があった。


俺「あれ、こんな所に古本屋なんてあったかなあ」


俺「まあいいか、なんか面白そうだし、寄っていくか」



~古本屋~


俺「なんか時代遅れの古い本しかないなあ。どおりで、客が俺一人なわけだ」


心の中でバカにしながら本棚に置かれている本を眺めていると、いかにもインチキくさい魔導書が目に付いた。


俺「なんだこの本気味が悪いなあ。でも、なんか興味がそそられるんだよなあ。100円だし買ってもいいか」



~自宅~


俺「さっそく読んでみるか。何々悪魔を呼び出す方法」


俺「新月の日に直系1m以上の円を描き、その円の真ん中に赤い液体を1L以上置き、深夜12になったら「ビビデバブデバブー」と唱える」


俺「…本当インチキだなこの本。でも、今日はたまたま新月なんだよなあ」


俺「騙されたと思ってやってみるか」



~自宅の庭~


俺「よし、円はこんなもんでいいか。赤い液体はたぶん血のことを意味していると思うけど、流石に血1Lは用意できないから、トマトジュースでいいか」


俺「そろそろ深夜だ呪文唱えてみるか。せーの!」


俺「ビビデバブデバブー」


ピカー(円から光)


俺「え、何々」


悪魔「呼び出したのは貴様か」


俺「何、マジマジ本当出てきちゃった」


悪魔「どうやら貴様で間違いないようだな。願いを3つ叶えてやる」


俺「え、出てきて終わりってワケじゃないの」


悪魔「そんなワケあるか。私を呼び出した者の願いを3つ叶える」


俺「そうですか」


俺(なんでも3つ願いが叶うのか。なら世界一の億万長者にしてもらおう)


悪魔「ちなみに3つ願いを叶えたら俺は貴様の魂を地獄に連れて行く」


俺「えー、なんでそういうことするの」


悪魔「そういうルールだから仕方がないだろ。早く願いを3つ言え」


俺(どうしよう、地獄なんか行きたくねーよ。でも、願い事をうまく使えば何とかなるかもしれない)


俺「俺の願いを100個叶えてください」


悪魔「貴様ふざけているのか。今すぐ地獄に連れて行くぞ」


俺「本当すいません」


俺(この方法は無理だったか、なら)


俺「願い事を叶えても地獄に連れて行かないで下さい」


悪魔「無理」


俺「何でですか」


悪魔「この願いは叶えてはいけないと悪魔の法律で決まっているんだ」


俺(なんだよ悪魔の法律ってふざけんな。こうなったら死ぬまで願い事をしない)


悪魔「ちなみに夜が明けたら、3つ願い事をしていなくても地獄に連れて行くからな」


俺(ダメだ八方塞がりだ。こうなったら死ぬ前にやりたかったことを全部やろう。金を1兆円貰う…全部使いきれるわけねーし、美女とつき合う…残り時間で付き合ってもなあ、全人類と心中…これだ!)


悪魔「あ、言い忘れたけど、殺せる人数は願い事1つにつき1人までだから最大3人だ」


俺(全人類と心中は無理だ。どうする、気に入らない3人だけでも一緒に心中するか。でも、俺が死んだ後だからメリット無いしなあ。くそ、こうしている間にもタイムリミットは近づいているのに)


悪魔「早くしろ。いい加減貴様の中の魂を地獄に連れて行きたいんだ」


俺(ん、俺の中の魂を地獄へ)


俺「あの…1つめの願い、いいですか」


悪魔「おお、いいぞ」


俺「今から言う質問に正直に答えてください。地獄に連れて行くのは俺の体に入っている魂ですね」


悪魔「ああ、そうだ」


俺「では2つ目の願い。次も質問に正直に答えてください。俺の体の中の魂なら何でもいいんですか」


悪魔「ああ、なんでもいい」


俺「では、3つ目の願い。俺の魂と上司の魂を入れ替えてください」


悪魔「おお、まさかそのような願い事をされるとは。しかもその願いは叶えられる」


悪魔「いいだろう、叶えてやる」


俺「ありがとうございます」


ボン


俺(上司)「ん、なんだここは。え、お前は誰だ」


悪魔「たった今貴様は入れ替わったばかりだから知らないだろうがそんなことはどうでもいい。貴様を地獄に連れて行く」


俺(上司)「はあー地獄お前頭おかしいんじゃ」


ピカー


光とともに悪魔は消え、俺(上司)の抜け殻だけが残されていた



上司(俺)「ん、朝」


上司(俺)「そうだ、俺大丈夫か」


辺りを見渡す


上司(俺)「見慣れない部屋だ、鏡は」


鏡を見てみるとそこには憎き上司の顔があった


上司(俺)「やったー、俺の代わりに上司が地獄に行ったんだ。良かった良かった」


上司(俺)「でも残りの人生どうしよう…」


上司(俺)「ま、これから考えればいいか」



(終わり)





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