結婚宣言。俺でいいのか。
順子と旅行代理店に向かう。俺って何。結婚。記憶喪失。藤原圭吾。順子は運転席でニタニタ笑う。俺達、夫婦。ヤクザ家業の娘さん。
「圭吾。鳥取、楽しもうね。新婚旅行だよ。確か、新幹線で姫路まで行って、そこから、特急電車だよ」
「ふうん。俺でいいの。順子さんよ」
「何、覚めてるの」
「まあ、いいわ。それでよ、俺、思ったんだけど、合宿免許ってあるだろ。それ、鳥取にもあるのかよ」
「焦らない、焦らない。旅行代理店で聞いてみよう」
順子は俺にキスをした。信号待ち。決めた、俺、車の免許、取るよ。旅行代理店に到着すると、太りすぎだよ、と言いたくなるような、店員が、俺の学生証を見て、受話器を取った。こうこうこうで、こおうです。と汗をかき続ける、店員。
「香山様、藤原様、鳥取の湖山シティホテルというビジネスホテルで30泊31日。岸田自動車学校、合宿免許、確認が取れまして、明日、ご出発になりますが、よろしいでしょうか」
順子は笑みを浮かべ、嬉しそうに店員に札束を払う。俺、そうだ。この人と結婚するんだ。もうすぐ、香山順子が藤原順子と名を変える。順子の胸、きれいだな。俺は、そう思いつつ、合宿免許を楽しみにした。俺って、なんだか元レーサーらしいな。順子と俺を乗せた車は市役所へ。あっという間に結婚か。婚姻届を受け取る役人のおばちゃん。いい人そうだな、このおばちゃん。
「おめでとうございます」
と一言、おばちゃんは言い残し、俺は順子にキスをした。
「はい。私、藤原順子。あなたの嫁です」
「ありがとな」
俺達は、国道を北へ上り、ラブホテルに到着。子供はなんで産まれてくるの。それはね、お父さんとお母さんがSEXするからだよ。と思いつつ順子を抱いた。鳥取か。のんびりするか。俺と順子はデパートへ。鞄に着替えに、コンドーム、旅支度も楽しいものだ。夫婦という現実。
「圭吾の助手席に私を乗せるんだよ」
「はいはい」
俺達は、逗子へ向かい、ビジネスホテルで、結婚祝い。そうか、明日から鳥取行きか。俺は札束を数える順子の瞳にキスをした。
「何、いきなり」
「いや、なんでもない」
寝てしまおう。明日からの闘いに備えて。俺は目を閉じ、眠りに就いた。順子、愛してるよ。