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途切れない糸。順子と湖山池の中に神社を見つけた。俺、記憶力に自信なし。順子と見つめるのは猫島という、小さな島。ポケットに缶コーヒー、二本。冬のアイスコーヒー。決着の日。
「圭吾」
「何」
「私の事、ずっと、愛してくれるの」
「勿論。誓うよ」
「ねえ。圭吾の夢は」
「俺の夢。俺は夢を叶えたよ」
「どんな夢」
「理想の順子を見つける夢」
ディープキス。順子は猫島を見つめて、俺は永久を順子に誓う。すると。
「ねえ」
「どうした」
「私」
途切れない糸。二人の時間。俺は記憶にない記憶を戻した。親父、村瀬、龍太郎。すまない。すべてから解放された俺になるよ。人生は、たった一度。
「今日の私の服、好き」
「うん。良く似合ってるよ」
「私を撮って」
「うん」
泣けてきた。こみあげるものが俺にはあった。俺は錯覚しない。順子の哀しそうな唇が。
「ねえ」
「うん」
「私になって」
俺は藤原順子になった。身も心も。順子と順子はキスをした。
心に刻む、1995年、二人のクリスマスイヴ。
二人の順子。暹羅。青いコートに身を包む、順子と順子の最初で最期の問い。神の子は永久に順子である。すべての人が順子になった。
メリークリスマス。愛している、順子。順子へ。
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