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伝言
ラーメンをすする夫婦。おばちゃんは幸せそうな俺達を優しく見つめて、幸せそうだ。
「順子ちゃん、お父さんは元気してるの」
「う、うん。元気だよ。それにしても、美味しい」
「ありがとう。旦那さん、貴方、幸せ者だよ。順子ちゃんと結婚。感謝しなよ。皆に」
「う、うん、おばちゃん」
俺って何歳だ。おばちゃんがくれたコーラ。ごくごくと飲み干す、夫婦。俺って誰だ。こんな時に限って記憶が曖昧だ。幸せだから、文句はつけずに。それにしても、替え玉が食べたくなった。腹減って、飯、食って、結婚して。俺は、順子と共に。
「お二人さん、宿は何処」
「おばちゃん、勿論、シティホテルだよ。私、嬉しすぎて。圭吾君。たんとお食べ」
「う、うん」
優しいこの街に、俺達は特別な思いを持った。抱いた。俺は人生に美を感じたい。美を感じていたいんだ。あっという間に完食。
「おばちゃん」
「何」
「ありがとう」
順子にチョロキューを手渡す、おばちゃん。
俺はこの愛に感謝する。F1カーの赤いチョロキュー。俺はもう、密告者にはならない。伝言を伝える幸福者。順子。お家へ帰ろうか。




