ダラダライコウゼ
「圭吾」
「何、私のこと、好き」
「好きだよ。勃起するんだからな」
「私も凄くイっちゃうの。圭吾なら」
「俺達、夫婦だからな」
俺と順子は部屋を後にして、エレベーターに乗り込み、ホテルの10階に位置する、焼き鳥屋へと。俺は首にカメラをぶら下げて。時計を見ると、もう夜の9時。明日が教習所の入学式か。車ってなんだ。俺達は、「焼き鳥帝王」と記された青いノレンを潜り、テーブル席に座って、向かい合い、大笑いして、生ビールを二つ、注文した。
「ねえ」
「何」
「指輪、明日さ、買おうか」
「そうだな」
「指輪の交換だね」
「まさしくな」
やって来た、ウェイトレス。俺達を見て、笑いながら、
「帝王焼きがおすすめですよ。それから、お二人には、神風というカクテルがおススメですよ」
と。この人もきれいだ。聞いてみた。
「お姉さん、いくつなの」
「今年で40になりました。私って若くて、きれいでしょう」
と、にこやかに笑い、俺と順子も微笑んで、カクテル神風を注文した。
タバコに手を伸ばすと順子も同時にタバコに手をやり、笑う夫婦に噓は無し。乾杯し、明日からの健闘を誓い、帝王焼きとカクテル神風を楽しんだ。
指輪か。教習所か。俺は順子を写真に収め、また、生ビールをだらだらと飲み干すのであった。俺って18歳。すると、さっきのウェイトレスが、俺達のもとへやって来て、
「私の名刺です。お二人、良い感じですよ」
と、一礼し、名刺には、「湖山シティホテル10F焼き鳥帝王大澤理恵」と記されてあった。
「あ、大澤さん、これから、よろしくね」
「はい。喜んで」
と、順子と大澤さんが楽しく言った。似た者同士の順子と大澤さんと俺なのか。物語は始まったばかりである。だらだらと。




