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ALLALL 1995 city T 小雪H  作者: ムラカワアオイ
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カメラマン誕生ナルナル

順子は、姫路駅の改札を潜り、俺も続く。スーツケースか。駅前にはデパートが。二人、珍しく、手を繋ぐ。一階のかばん屋。青いスーツケースと黒いスーツケース。順子は、それをご購入。二人。喫煙所に向かう。順子が笑った。

「圭吾さ。私と姫路城、写真に撮ってくれない。一眼レフ。買ってあげよう」

「か、金持ちっていいな」

「そうよ。あなた」

タバコを消す二人。ぎゅうぎゅう詰めの鞄から荷物をすべて、男子トイレで捨てては、スーツケースにすべてを詰め込む。俺が小便を済まして、トイレを出ると、青いスーツケースを持って、笑い続ける順子がいた。二人はタクシーを拾う。順子は運転手にカメラ屋が近くにないかと聞いている。二人を乗せたタクシーは西へと走る。あったあった。『カメラのフクシマ』デカい赤い看板を嬉しそうに見る順子。

「ちょっと待ってて。カメラとフィルム、買ってくるよ。金持ちっていいでしょう」

「そ、そうだな」

俺はタクシーを降りて、タバコに火を点け、自販機の缶コーヒーを買う。俺って今日からカメラマンにもなるの。藤原順子専属の。まあ、いいわ。特に趣味があるわけでもないしな。順子が走って俺のもとへ帰ってくる。いきなり、順子は俺のおでこにキスをした。

「愛してるよ」

「笑えないよ」

と二人を乗せたタクシーは姫路城に急ぐ。今日は冷える。そういえば、そろそろ、クリスマス、新年だな。俺ってバカだ。記憶喪失。


「圭吾、撮って、撮ってよ」

「はいはい」

一眼レフか。ナルシストのような嫁の写真と姫路城を撮る、俺という旦那。カメラって面白いな。

「もっと、撮って」

「はいはい」

すると、雨。雨が降ってきた。「行くよ」と、また、お城の前でタクシーに乗る俺達。姫路駅へ。特急に乗り換えか。俺達、夫婦は、プラットホームで鳥取行きの特急を待つ。ぼちぼち、行くか。と思ったら、丁度いい特急電車がやって来た。

「いよいよ、鳥取だね」

「そうだな」

「私をたくさん、撮ってね」

「お前ってナルだなあ」

深く笑みを浮かべて、順子と俺は、鳥取行きの特急電車、スーパーはくとに乗り込んだ。俺ってなんだ。

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