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第85話 第3の視点

「二人共どうしたの?」


まなみが見詰め合いながら驚いている竜一と白根に声を掛ける。

何かに気付き驚いている様子なのだがまなみにはそれがなんなのか分からない。

そうなのだ、まなみは2人とは別にここに閉じ込められているので自分が二人になる現象を見ていないのである。


「実は俺達さ・・・」


あの不思議現象を見ていないまなみに説明する竜一。

それを聞いてまなみは思考を巡らせる。

そして、まなみもまた気付かないように思考を誘導されているのに気が付いた。


「そうだわ、なんで気付かなかったんだろう・・・いえ、気付かないようにされてたのかしら?」

「まなみ?どういうこと?」

「二人共、ここの館内地図を覚えてる?」

「あっあぁ、確かあそこに・・・」


竜一がそう言って思い出そうとするが・・・


「そう、気付かない内にあの地図無くなっていたのよ」

「マジか・・・」


館内地図、それは基本的に立ち止まってじっくり見える場所に設置されている。

だが何度も何度も前を通っている筈の3人はその地図を最初見た時以降見た記憶が無いのだ。

それもその筈、現在そこには花の絵が飾られているのだから。


「でもね、私はここの館内地図を覚えている」


まなみが自信満々に述べる、その言葉に白根はイマイチ状況が飲み込めないようで首をかしげているが竜一は気付いて声を上げる。


「つまり、まだ俺達が行ってない部屋が在るって事だな?」

「ご名答、そしてそれはあっちよ」


まなみは歩き出しその後を竜一と白根は歩いて付いて行く。

行ってみれば何故気付かなかったのだろうと不思議に思うほど普通にそれはあった。

本棚で囲まれているがちゃんとドアがそこには在ったのだ。


「こんな所に・・・ドア?」

「きっとここに在るんだな」

「開けるわよ」


そう言ってまなみがドアノブを回してゆっくりと扉を開く。

するとそこには4つの椅子が置かれておりその中央に大きめのモニターが一つ置かれている。

その椅子の一つに・・・


「竜二?!」


座って寝ているかのような姿勢で身動き一つ取らない竜二がそこに居た。

デスゲームで死んでしまい死体が消えた筈なのに傷一つ無い状態でそこに座っていたのだ。

一応脈を確かめようと竜一は首筋に触ろうと手を伸ばした時であった。

突然モニターが光りだし3人は光に包まれる。


「なっ?!」

「きゃっ?!」

「えぇっ?!」


光は暗かった部屋を包み込み視界が真っ白に変わった。

その光が収まった時3人は椅子に座っていた。

そして、死んだはずの竜二が最初に口を開いて尋ねる・・・


「それで俺達がゲームクリアするのをこうやって見守ればいいのかな?」

「そうなんじゃない・・・かな?」


死んでいた筈の竜二が話した言葉に白根が返事を返し4人は椅子に座ったままモニターを見詰める。

そしてあの声が聞こえるのであった・・・


『部屋から出るな・・・ライフ1』


更にモニターの前には一文が書き記されていた。


『半身が受けた傷や痛みは君達も味わう事となる』


そう告げられモニターを見詰める自分達の姿を空に浮かんだ状態で見詰める3人。

直ぐに気が付いた。

自分の体が気体となって宙に浮かんでいるのだ。

身動き一つする事も出来ず3人は空気に溶け合ったようにそこに浮かび続けモニターで自分達が図書館を探し回る姿を共に見詰めるのであった。

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