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第71話 気付き!

部屋の至る所に虫が居り笑い続けなければ足元は虫に埋まるほどになっていた。

部屋の奥では僅かに生き残った小鬼達が仲間の死体の上に上がり壁を引っ掻きながら喚いている・・・


「ハハハハハ・・・頼むカイン」

「っ?!ハハハハハハハ!!」


ジタンとカインが交代で笑うことで虫が一定範囲以上近寄ってこない空間を継続しているがそれもどれ程持つのか・・・

奥へ行こうが戻ろうが逃げ道が無い現実に直面し3人が襲われるのは時間の問題となっていた。


「やっぱりあの黒い渦を何とかするべきなのか?」

「ハハハハハハ・・・・」


ジタンはそこへ手を伸ばそうとするがそれをカインが止める。

中から小鬼が生まれた事を見てもそれはデスゲームとは関係ない代物だと考えたからだ。


「ギャリギギギギャギャギャー!!!」


その時部屋の奥から叫びが聞こえた!

視線をやるとあの王冠を被った小鬼が杖の様な物を手に死体の上で叫んでいた!

すると手にした杖から霧の様な物が生み出されそれがゆっくりと虫の上へ降りて行く・・・

その霧に覆われた虫は動きをゆっくりと止めていった・・・


「あんだあれ?魔法か?」


ジタンが呟くがそろそろ限界だとカインはジタンを肩を叩いて合図を送る。

それを理解してジタンが笑い出しカインは一息つく・・・

既に足がまともに歩ける状態でないカインは自分で笑う振動に痛みを感じながらも耐えていたのだ。


「虫を眠らせているのか?ん?!」


そう口にして霧が広がる光景を見ていたカインはある事に気が付いた。

地面と床にはびっしりと虫が居るのにも関わらず壁には一切虫が張り付いていなかったのだ。

決して垂直が登れないと言う話ではないと思う・・・

逆さまになっている天井に張り付くように移動している虫も居るのだ。

それに気付いた時、カインの脳裏に閃きが走る!


「もしかして・・・」


カインは周囲を見回すがそこに目当てのアレが無くジタンに戻る指示を出す。

笑いながらその指示を見て何かに気付いたのを理解したジタンはカインに肩を貸して元居た方の場所へ移動を始めた。


「カイン、一体何に気付いたの?」

「まだ分からないけど『笑え』って言われたよね?」

「えぇ、だから笑ってれば虫は襲ってこないみたいだけど・・・」

「違うんだ。それは副次的な効果であってここを脱出するには笑う事が必要なんだ!」

「えっ?」


カミラがカインの言っている事がイマイチ理解出来ないと悩むが気にせずに3人は手前の部屋へと戻ってきていた。


「ハハハハハハハ!!!」


ジタンの笑いが少し辛そうになってきた・・・そう感じた時であった。


「ウフフフフアアハハハハハハハハ」


ジタンに代わりカミラが笑い出したのだ。

ここまで温存していてくれたのに感謝をしながら3人は小鬼の死体を避けながらカインの指示する場所へ向かって移動する。

そこはこの建物に唯一在るあの窓であった・・・

いつもお読み頂きありがとうございます。

本日から早朝更新ではなく夜の更新に変更させて頂きます。

本文が長くなる代わりに更新出来ない日も出てくると思いますがどうぞ御理解宜しくお願いします。

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