第32話 隠された真実?
「お兄さん…」
「リリン…ごめんありがとう」
沈んでる俺の背を擦ってくれるリリンの顔を見て気持ちを入れ換える。
今さらだ、このスキルを発動させる事で人が死ぬのは当たり前だ!
そう自分に言い聞かせ、目の前のリリンを助ける事だけを考えた。
「今は落ち込んでる暇はないもんな…」
「えぇ…」
相変わらず元気の無いリリンの頭を一撫でして立ち上がり再び思考を巡らせる。
あれから結構な時間が流れ外は暗くなってきていた。
自覚はないがそれくらい落ち込んでいたのだろうと理解し早くこのデスゲームを終わらせる事を決意する。
既に焼け落ちた村長の家の火は今も燃えているが中に本が在るなら既に焼けているだろう。
即ちあそこでは無かったと言うことだ。
「しかし、本か…」
「あの、なんで本なのですか?」
リリンが不思議そうな顔をして訪ね返してきた。
あの時の状況では両親の死がショックで耳に入らなかったかもしれないのを理解し俺は座り込んでリリンに優しく語りかける。
「リリンは聞き逃したかもしれないけど、前回も『最下層へ行け』ってのが答えだったみたいだから今回も『本を燃やせ』ってのが鍵みたいなんだ」
「……」
俺の言葉に首をかしげるリリンは不思議なことを言い出すのであった。
「私が聞いたのは『呪印を燃やせ』でしたよ?」
「えっ?」
その言葉に俺はリリンの肩に手をやり見詰めて問い返す。
「ほ、本当に本じゃなくて呪印って聞こえたのかい?」
「えっあの…」
思考が巡る…
顔を真っ正面に近付けられて真っ赤になるリリンを無視して俺の頭の中に一つの仮説が浮かび上がる…
リリンの肩に置いていた手を引き寄せリリンを抱き締めた。
「ありがとう!謎が解けたよ!」
「ひっはわわわ…」
慌てるリリンを抱き締める俺の声に反応して玄関に奴等が集まってるのに俺達は気付かなかった。




