2.始まりの「普通」
和花音視点のお話。
入学式の朝。
校舎前に並べられた掲示板を見る人だかり。さながら合格発表日のような光景だが、緊張感の弱さと…人数の少なさを感じる。
これが、私も含めた新入生全員か。
そんな事を考えていると。
「…和花姉ちゃん」
「どうした?」
「違うクラスみたいだね。」
「当たり前でしょ。」
姉妹なんだし、同じクラスに入れるわけない。仕方ない事だ。…そもそもこの人数で4クラスという所もおどろきだけど。
「あ、開いたよ。」
「じゃ、行こうか。また後でね!」
たった今開けられた昇降口のドアを通り、それぞれの新入生が、掲示板に書かれていた自分の教室に向かう。
私も、由樹音と同じように、小さな人並みに飲まれて自分の教室に向かった。
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至って「普通」の入学式を終え、1週間後の入寮日までのスケジュールが各教室で確認される。
「担任」の説明を聞き、メモを取りながらふと考える。
─寮は二人部屋。同室の人と仲良くなれるといいな。あ、私よりも積極的じゃないし、由樹音は同室の人と上手くいくかな─
また妹のこと考えてた。まだ新入生だし、もうちょっと真面目にしなきゃ!
止まりかけていた、メモをとる手をまた動かし始めた。
これだけ言わせてください。
和花音にシスコン設定はございません。ただ、理想の姉妹を描いていたらこうなっただけで。
次回は一週間以内に投稿します。