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落
次の日。
「私ったら、早とちりして、また勘違いしちゃった。」
そう言いながら彼女は鞄を携えて、スキップしながら誰もいない道を歩いて行った。
「さーて、どこに居るのかなー?」
上機嫌のまま、少女は進んで行っていた。
「待っててね。」
不敵な。しかしながら無邪気すぎる笑顔でそう言った。
鞄の中からは、プラフチックやら金属やらがぶつかり合って、ガチャガチャという音を立てていた。
――私だけのお兄ちゃん。
『今朝、公園で男性の遺体が発見されました。遺体には、刃物のような鋭利な物でつけられたと思われる刺し傷や切り傷が三十以上あり、昨日も起きた連続殺人との関係性を調べるほか、被害男性の交友関係も――。』
ラジオから流れ出すノイズ混じりのニュースは、更なる被害者へと、届いているのだろうか。
それは、誰も知らない物語。