図書館
治療を終え、治癒魔法のイメージについて女神様に伝えようと彼女を探していた時、彼女の方から僕の方に歩いてくるのが見えた。勿論レイニーの補助付きだ。
早速試してもらおうと声をかけようとするが、それより早く
「あなた、ケレンさんの骨折を完治させたっって本当!?」
猛然と食ってかかる我らが主。え?何事?いやいや主が問うておられるのだ!答えないなんて無礼は許されない!
「……ケレンさんがどなたかは存じあげませんが、骨折したに方を治したのは事実です。それが……」
どうしたのか、と聞こうとして女神様の呟きに気づいて飲み込む。
「……っすごい。昨日教えたばかりなのにもうそこまで……!」
おおっと!?何やらものすごい勘違いを⁇魔法の技量とかじゃなくてただの現代知識チートなんですけど……教えれば多分誰にでもできますよ?
誤解をたださねば‼︎主に己のミスで過ちを吹き込むなど言語道断‼︎
「女神さま!ちがうんです。これは……」
「それだけ才能があればきっと多くの人を救えるわ!」
「あの、ちょっ聞いてくださ」
「そうね、私程度の知識で教えていてはせっかく才能を腐らせてしまうかもしれないわね……」
なにぃ⁉︎聞いてくれないだと⁉︎
「誰ならふさわしいかしら?お祖父様?……いいえ、お祖父様だと権力の影響が大きすぎるわ。」
「女神さ……エリシア様?」
「うーん。お祖母様は外交中だしお父様は論外だしお母様は私とどっこいどっこいですし……」
お祖母様やり手なんだ。お父様論外なんだ……。
「あ、あそこがいいわ!少しついてきて!」
「えっなっ??」
女神様はぐいぐい俺の腕を引っ張ってどこかに向かっている。これは、あれだ。平が社長の命令に逆らえないのと一緒だ。下々の人間風情は神の意に逆らうことなどできはしないのだ。大人しく従うが善だろう。きっと俺なんかでは及びもつかないお考えがあるに違いないのだから。
目の前の机には、山のように積まれた分厚い本の山。
場所は図書館のような場所。というか多分図書館で あってる。
目の前に積まれているのは治癒関連の本に違いない。こんなにあるんだ?これ、治癒関連のだけだよね?本当に?
「あとは、これとこれと、あーこれよりもこっちかしら?あ、あれどこかしら?」
え?まだあるんですかそうですか。
恐らくこれは目の前にあるの全部目を通せってコトなんだと思う。
まぁ、女神様の言うことなら否はないですよ。
ただ、一つ思ってしまう。おれ、楽するためにここにきたはずなんだよな〜〜と。