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聖獣様の実力

女神様復活。


やはりというかなんというか、死刑とか物騒なことにはならないようである。


「あ、貴方に悪気があったわけでもないでしょうし、不躾に覗き込んでいた私にも非はありますから……。」


その言い方だと、悪気があって、女神様に非が認められなかった場合は物騒なことになるのだろうか?


まぁ、その場合は普通に犯罪だよな……。


さて、案の定俺を助けてくれたのは女神様と聖獣様らしい。


「た、助けていただきありがとうございました。」


「お気になさらないでください。当然のことをしたまでです。」


流石は女神様!錯乱していた先程までとは打って変わり、毅然とした態度で応じられるその声には、可愛らしい外見によらず威厳すら感じられる。


「私はエリシア、エリシア=ウォーヴァレン。この子はレイニーです。」


「俺は、コウイチ、たから、じゃないや……コウイチ=タカラです。」


エリシアっていうのかぁ。可愛い名前だなぁ。


「ここは、エルフの国の一つ、エルガンク教皇国の王都ヴィクトリアです。エルガンクへようこそ。」


「エルフの国……‼︎すごい!」


「…………?そうですか?」


女神エリシア様は俺が感激しているのについてこれてないようだ。


「エルフってすごい長生きするんですよね?」


「いえ、それは私のようなハイエルフだけです。普通のエルフの民は他の人族たちと大きくは違わないはずです。」


俺が当然のことのように言うのに女神エリシア様は困った顔でこたえた。


成る程、やはり女神様は一般とは格が違うらしい。


ハイエルフかぁ……。


「ところで貴方……コウイチ様はヒューマ族のようですけど、この辺りだとナルガ王国かオリビア公国のどちらかの出身ですか?」


女神様が顎に人差し指を当てて、考え込むようにして言う。


どう答えるべきだろうか?


普通に考えて神様に他の世界から転移させてもらいました、とか信じてくれないだろうし……こういうのは言わないほうがいいのがお約束なんだよなぁ。


しかし、ごまかすにしてもどうしたものか。


さっき言われた二つの国については何も知らないから、もしそのどちらか出身だと偽っても何か聞かれたならすぐさまボロが出るだろう。


それは良くない。


かと言ってどうするか……東の果ての島国から来ましたとでもいうか?


それこそどこだって言われそうだな……そもそもどうやってきたのかなおさら怪しくなりそうだ。


それに女神様相手に嘘をつくのは如何なものか……。


うーん……正直女神様に対して嘘つきたくないんだよな。ほら?見破られても困るし……。


というわけで、信じてくれるかわからないけどとりあえずありのまま説明してみよう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「では、コウイチ様は神様によって選ばれた勇者様ということでしょうか?」


「いや、そこまで特別じゃないです。でも、概ねその理解であっていると思います。」


ちゃんとわかってもらえた、のかな?


「とにかくそういうわけでして、こっちの世界のことは全然知らないのです。いろいろ教えていただけないでしょうか?」


「勿論いいですよ。何が知りたいですか?」


あー、世界のことではないんだけどさっきから気になっていることはあるんだけど……これって聞いてもいいのだろうか……迷う。


「世界のことではなく、女神様個人のことについて一つきになることがあるのですが聞いてもよろしいでしょうか。」


「あ、あの、私は別に女神とかそんな大層なものじゃないのですけど……。」


さすがに本気で神様だとは思ってないけど、そう呼びたい位綺麗なので勝手にそう呼ばせてもらいますね。と、心の中で女神様の謙遜をスルーする。


「それと、私の気になるところとはもしかして目のことですか?」


「……はい。」


「ふふ、そんな遠慮なさらなくても結構ですよ?実は私は生まれつき目が見えないのです。目を開けていると黒目の焦点が合わず周りにきみのわるい思いをさせてしまうので普段は閉じているのです。」


あーやっぱり盲目の方なのかぁ。失礼なことを聞いたかな……。


まぁ、それはそうと異世界で盲目かぁ。


もしかして代わりに特殊な力を持っていたりするのかな?


「そうなんですか……。あ、そうだ。女神様はこの国ではどのような立場の方なのでしょうか?」


「……あの、ですから女神ではないですが…………一応、教皇の娘という立場になります。」


「そ、それってめちゃくちゃ偉くないですか?」


びっくりした。結構な立場があるに違いないとは思っていたが、具体的に聞くと驚いてしまう。要するに王族ポジだよね?


「教皇の娘というだけで、実態は一回の司祭にすぎませんから、気を使う必要はないですよ?」


「……でも、未来の教皇様ってことですよね?」


「それも大丈夫ですよ?教皇様、要するに私のお父様ですけど、まだまだお若いので世代が変わる時にはヒューマ族のあなたは生きていないと思いますから。」


「……そうですね。」


恐らく100年とかを俺たちの10年ぐらいの感覚で生きるのだろう。


それと、本当の一回の司祭は教皇を親に持ったりしていたりしないだろう


あと今更だが、ヒューマ族とは普通?の人間のことを指すようだ。


「では、次の質問ですが、俺が倒れていた場所からはこのような街があるように見えませんでしたから、結構遠くの場所に倒れていたと思うのですけど、女神様が見つけられたのですか?」


「正確にはレイニーが見つけました。散歩コースだったんです。」


「あんな、スライムだらけの恐ろしいところが散歩コース何ですか?!」


驚いた。


令嬢であるはずの女神様があんなところを散歩コースにしていらっしゃるなんて、周りは止めたりしないのだろうか?


「スライム程度ならレイニーの敵ではありません。」


女神様が胸を張ってお答えくださる。


「へぇ、流石聖獣様!お強いのですね。」


「クゥ……」


「聖獣様、ですか?レイニーはただの盲導犬なのですが……?あと、レイニーはスライム程度と比較されても困ると言っています。」


スライム、あれで弱いのか……


俺この世界で貧弱すぎじゃね?


チートはどこいった……















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