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プロローグ
・・・ひどく長い夢を見た気がした。
ぼんやりとした意識のまま体を起こすと、そこは見慣れた自室だ。
カーテンから差し込む朝日が僕を眠気から覚ます。
そうだ、今日から高校生なんだ、そう思うといろんな感情が湧き出る。
「今度こそ、頑張ろう・・・」
不意にそんな言葉が僕の口から漏れ出す。
僕は身なりを整え朝食をとりいろいろ心配する両親に大丈夫と言い
新たな学び舎へ向かう。
・・・・・少女に出会った。
学校に向かう途中の桜並木のなかぽつりと突っ立っていた。
彼女は優しい春の風が運んだ桜の花びらを手のひらに乗せ、
自分より遥かに大きい桜の木を見上げて儚げな表情を浮かべる。
僕は、彼女に見惚れた可憐で美しくそしてとこか神秘的な黒髪の少女に。
・・・・・彼女との出会いが僕のすべての始まりなどしらぬまま・・・・・