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07.顔色を伺う/08.そこで笑顔は反則
07.顔色を伺う
「今日このお店行かない? 甘いの好きだよね?」
「……いかない」
「そっか。……まだ怒ってる?」
顔色を伺うと、無言で睨まれる。昨日困らせた事をまだ怒っているらしい。
僕の心にじわり、じわりと気持ちの良いものが広がる。
今彼女の頭の中はきっと僕でいっぱいなのだ。
08.そこで笑顔は反則
「夕日が綺麗だね、君には及ばないけど」
「誰にでも言ってるんじゃないの」
「君が好きだよ、君だけだ」
すると急に立ち止まり、くるりと振り向き輝かしい笑顔を向けてきた。
「聞き飽きた! じゃね」
そこで笑顔は反則だろう。あまりに素敵すぎて僕は動けなかった。