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03.君の気まぐれに一喜一憂/04.なんて冷たい眼
03.君の気まぐれに一喜一憂
梅雨が嫌いな君は最近イライラしている。
「君が好きだよ」
「あんたさ、それしか言えないの?」
僕が落ち込むと、君は眉根を寄せそっぽ向く。
「……まぁ嫌じゃないけど」
「安濃さん……」
君の気まぐれに一喜一憂。その言葉は僕の心に甘いキャンディのように染み込んだ。
04.何て冷たい眼
日直の女子が黒板を消している。
背が低いから飛び跳ねて消している姿は可愛らしい。
大変そうだなと思い、高い所を手伝った。
「ありがとう、尾根君。優しいのね」
突如、鋭い視線を感じた。振り向くと彼女がいた。
なんて冷たい眼。
その眼を独占しているのは僕かと思うと嬉しい