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呼び出し英雄物語  作者: 東京多摩
7/27

Fエンド

召喚者「勇者」

 揺り籠が一つ、魔法陣の真ん中にその姿を現していた。

 

「揺り籠…?」

 

 ローブの内、誰が言ったかわからないが、その場に居た全員が思った疑問であった。

 王が命じ、一人の若い神官が揺り籠に近づく。

 彼女は揺り籠にかかっていた、真っ白で清潔な布を取ると、中に居た『救世主』が声を上げた。

 正確には泣き声であったが。

 彼女は咄嗟に『救世主』を抱き上げ、小さい頃自らの弟にしたように体を揺すって疳の虫を治めた。

 

「『救世主』が、赤ん坊か…。」


 近衛兵の隊長が、小さく言葉を漏らした。

 今、王国は魔物の脅威に晒されている。

 この子が『救世主』だとしても、成長して魔王を倒す前に、先に王国が魔王によって滅ぼされるだろう。

 そんなことが分かっているからこそ、ローブの一団は、誰も、何も言わず、ただ神官にあやされている赤子を見るだけだった。

 静まり返った王宮離れは、赤子をあやす神官の、美しい子守唄がただ木霊するだけだった。

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