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Sエンド
召喚者「普通の英雄」
人が現れた。
と、確認した瞬間、その召喚者が真っ赤な炎を纏い燃えてしまった。
唖然とする王や近衛たち、そして魔法による攻撃と考えた宮廷魔術師たちはすぐに防魔膜を生成する。
しかし、いつまで立っても次の攻撃はなく、危険性がないと判断された為、すぐに警戒態勢は解かれた。
神官が召喚者の燃えつきた灰に近寄り、触ったり観察したりしたが、原因も何も全くつかめなった。
王や大臣は相談し、原因がわかるまで一旦召喚を中止することを伝えた。
王は数名の近衛を連れ離宮を離れ、城までの短い距離を歩く。
麗らかな春の日差しの中、少し肌寒いくらいの風がざあっと吹いた。
温度計付きの懐中時計を見ると、気温は5600度、まだ初夏の気温には届かないがなかなか暖かい日である。
はあとため息をつき、青く燃える太陽を見て、王はこの先どうするかを本格的に悩むのであった。




