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ルリ-フリルラの言葉を耳にしたYOUは、目を細めて眉間にしわを寄せている彼に対し、細い瞳が真ん丸になりそうなほど驚いた表情を見せていた。
「ルリ……何言うとるん?」
「だからこれは――」
「どう見てもこの四角は建物やろ! ほら見てみ!? この並んでる四角が建物で、その間の線が道! さすがにこれは分かるやろ!?」
「いや……」
「もーっ、なんなんお前は!」
叫ぶようにそう言ったYOUに、チェーレがまあまあ、と彼をなだめる。
「ルリちゃんもきっと私とおんなじなんだよ。私はたまに街で地図を見掛けてたってのもあって、地図が建物や道場所を教えてくれるモノだってことは知ってたけど……。分からないことがあるなら一緒に勉強すればいいんだよ!」
「あ、ああ……」
目を輝かせて話を進めるチェーレに対し、ルリ-フリルラはどう答えればいいのか分からず曖昧な返事を返すことしかできなかった。
「いやー、でもチェーレは物分かりがええんとちゃう? 勉強してなくても地図のこと分かるなんてなあ。これは教えがいありそうや」
「えへへ、ありがとう」
YOUの感心した言葉にはにかむチェーレ。
そんな2人を、ルリ-フリルラはよく分からないといった表情でぼんやりと眺めていた。
するとYOUは悪戯を思いついた子供のような表情でルリを見て、
「ま、ルリがどうしても俺に教わりたいっちゅうんなら、土下座でもして乞えば懇切丁寧に教えてやらんこともないけどな」
「どげざ……」
ルリ-フリルラは土下座がどういうものなのか知らなかったため、その言葉をオウム返ししたのだが、YOUは彼がよほど不満だったようだと捉えたのか、満足気ににやりと口元を緩めた。
そして、こんなとこで立ち話しててもあれやし行くで、と言って再び歩みを進めた。
自然と他の2人より前を歩く形となるYOUは、後ろに声が漏れないようにそっと呟くのだった。
「ぶっちゃけ真面目に土下座されたら、それはそれでビビってまうけどな」




