貴族に巻き込まれました⑥
バレンタインデー話は寂しさを出す一人称で書きました。
一人称視点で寂しさ出すの難しいorz
貴族に巻き込まれましたは今話で終わります。
俺はリムル姉さんの執務室で絶句していた。
ここに至る経緯を思い出してみた。
○昨夜の侵入者の大量捕縛→ギルドで特定したら、町長の護衛をしている騎士と判明→リムル姉さんからの指名依頼→1人で【アクレシオン】まで走破→転移門を開き、一旦戻って、エミル達を連れて行く予定←今ここのはず。
そう、エミルとレミゼを連れて行く予定なのだ?
部屋を見て俺が絶句している理由は、部屋にはほとんどのギルド職員が籠城しているのだ。
「リムル姉さんは?エミルやレミゼは?誰か知ってる人いますか?」
「いきなり町長の騎士達が攻めてきたのよ。下の階でギルマスが戦って、私達にここで籠城するように......あっ、貴方がギルマスの言ってた最強戦力?戻ったら助けに来てねって言ってたわ。お願いします。ギルマスを助けて下さい。」
「「お願いします!!」」
「え?リムル姉さんが?わかりました。」
俺はギルド職員たちの願いを叶えるべく下の階へ向かった。
下の階に降りると、捕虜にしていた騎士達の反乱が起きていた。
俺は目に付く騎士たちの意識を瞬時に奪い拘束していた。
数分が過ぎただろうか?冒険者ギルドは解放され、反乱を起こしていた騎士達は、今度は厳重に自由を奪い、牢に閉じ込めた。
最初は持ち込まれていた、隷属の首輪の使用も考えられたが、全て終身奴隷用であり使用出来なかったので、魔封じの結界をギルド職員数人がかりで維持し、魔法を使用出来なくさせている。
隷属の首輪:主に奴隷用として扱われているが、魔物に使用される場合もある。
種類としては、軽いものから【借金奴隷】【軽犯罪奴隷】【戦争奴隷】【重犯罪奴隷】【終身奴隷】とあり、戦争奴隷以上の首輪は自分で買い戻すといった一般に知れ渡っているような開放は不可になっている。
一番重い【終身奴隷用】は作成は簡易に出来、使用も出来るが、開放は出来ない首輪になっている。
簡単に言うと、開放するというシステムを最初から組み込まずに作成されている厄介な物だった。
開放というシステムを組み込まないで作成された首輪だが、唯一組み込まれたのは簡単な方法で所有者を変えるシステムだった。
持ち主が死ねば、殺した相手に所有権が移るという簡単なシステム。
他の首輪では、契約が完了している場合につき、遺言が最優先され、遺言がない場合は国に所属するようにシステムが組み込まれている。
国所有となる事で、所有者が殺され、奪われるという事は起きないようになっていた。
なぜ、【終身奴隷用】は例外かというと、犯罪でも重犯罪者に使用され、開放しても同犯罪を何度も繰り返した者、または快楽殺人者に使用され、開放する事が世の中の為にならないと判断された者に使用されるからである。
俺は、一層の焦りを感じた。
状況から、リムル姉さん、エミル、レミゼにももう【終身奴隷用の隷属の首輪】が装着されている可能性があるという事だった。
俺は急ぎ、町長邸に向かったが、もぬけの殻だった。
急ぎ【冒険者ギルド】に引き返し、捕虜とした騎士達を尋問していった。
え?もちろん平和的なO・H・A・N・A・S・H・Iですよ。
ギルド職員なんて、その光景を見て、嘔吐や意識を失う者がいっぱいいましたけど......(笑)
捕虜騎士はって?俺を見るだけで気絶するだけですよ。
いやー、O・H・A・N・A・S・H・Iって素晴らしいですね。
分かった情報は3つ
○北方向に町長の隠れ家があるらしい
○隠れ家にいけるのは、幹部以上であり、幹部になれば、金、女に不自由をしないらしい
○町長邸にいる騎士と近隣最大勢力の盗賊は繋がりがあるらしい......捕虜によれば、町長が盗賊の首領という者もいた
俺が取れる方法は1つだけだ。
【気配察知】でサーチ・アンド・デストロイ!!これにつきる!!
俺は【気配察知】を最大発動させた。
有効距離なんてわからない位の発動だが、発見出来ない......
発見できない事が信じられなく、何度も繰り返した。
ポーン
システム音がなり響いた。
logを確認すると、【気配察知】の熟練度が一定値を超えた為、Level2にUPしました。
え?俺のスキルLevelってMAXちゃうかっt......2になった瞬間に、前より膨大な量と距離がわかるようになったようで大人数の集団が移動してるのを察知できた。
スキル考察はあとにして、最大速力で追いかけた。
離れている距離が20キロ以上......はい、一瞬でした。
辿り着くと、魔獣車で逃亡を図る、20名位の騎士......。
魔獣には罪はないので、軽くデコピンで脳を揺らし、意識を全て奪った。
いきなり倒れた魔獣に荷車はぶつかり、横転やぶつかった衝撃で壊れたりして、騎士達は道端へ投げ出された。
俺は急ぎリムル・エミル・レミゼを探すと、町長がいて、首に首輪を付けた全裸のリムル・エミル・レミゼの姿を発見出来た。
俺は怒りの頂点に達したせいで、頭は猛烈に冷静になっている。
リムル達の目の焦点はなく、町長の所有になっている事も判断できた。
焦点があってないのは、無理矢理なにかの指示を受け、強制的に隷属させらているのだろう。
また指示とは、町長と騎士何人かの下半身が露出し、リムル達が全裸......。
よし、殺そう!
俺は殺す決心をし、町長達に近づくと、リムル姉さん達が抱きついてきた。
3人に抱きつかれる俺は、喜びと体の3箇所に激痛に耐え、より一層3人を抱きしめた。
3人を抱きしめ、流れる血に魔力を混ぜ、より強固な契約の上書きをした。
簡単に上書き出来る【終身奴隷用の隷属の首輪】にも、ゲーム時代の抜け道があった。
主にまともに使われることのない抜け道だが、奪われない方法として、血に魔力を込めて契約された場合は、それを上回る魔力を込めなければならない。
俺は3人を強引な手法と強固な方法で奪い返し、3人へ最初の命令をした。
「俺のそばで自由にしろ。」
自由になった3人は絶叫した。
そう3箇所の痛みは、3人が町長の命令で、ナイフを持って俺を刺した痛みだからだ。
どんだけHPや防御力があっても血は流れる......自由になった3人は俺を刺した事に絶叫したのだった。
町長と騎士を殺そうとした俺に、リムル姉さんが捕らえるように懇願してきた。
「シドくん、おねが....い....こ....ろ....さ....な....い....で....。」
「リムル姉さん。ごめん。無理。」
リムル・エミル・レミゼと3人から目をそらした俺は逃げる町長達を捕まえようと再度動こうとした。
「賢者様、私からも捕らえるようにお願いします。」
「シド様、怒りに任せて殺しては、この者達と同類に堕ちます。大丈夫です。私達は穢されたかもしれませんが、純潔は守れました。」
「レミゼ!なななな、何恥ずかしい事言っってるのーーーー。」
「シドくん。レミゼちゃんの言う通りよ〜。シドくんへの純潔はお姉ちゃん達守ったよ〜。」
「リムル様まで!」
俺は3人のやりとりを見ているうちに頭の芯まで冷め、いかに残虐に殺害するかしか考えられなかった頭が、いつのまにかほぐれて落ち着きを取り戻している事に気付いた。
今なら冷静に考えられる。
町長達を捕らえ、領主に任せる事が、町の秩序を保つ最良の道だと......。
俺は気配察知で、逃げた町長達を捕縛し、檻に閉じ込め町へ戻っていった。
御者台にみんなと座り、首輪の件間に合わなかった事を謝ると、3人はこれで合法的に俺の物になれる事を喜んでいた。
「みんな、ごめんな。俺がもう少し早ければ首輪なんて......。」
「シドくん、お姉ちゃんは嬉しいよ〜。ルルちゃんに遠慮しなくていいからね〜。」
「賢者「シド」様、私もです。」
そう、これで俺はルルに続き嫁を3人手に入れた瞬間だった。
俺は、リムル姉さん・エミル・レミゼと盗賊に堕ちていた町長達を連れて凱旋した。
【冒険者ギルド】の関係者達は【隷属の首輪】のハマった女性3人を見て悲しみにくれるも、3人が堂々と俺のものになれた説明を聞くたびに、哀れんでいいのかよくわからない表情になっていった。
「ギルドマスター、もうお仕事には戻れないのいのですか?」
「エミルお嬢ちゃん、辛かったねぇ。」
「レミゼ嬢ちゃん、変なことはされてないかい?」
(おい、お前ら、なぜ救い出した俺を睨む......特に男ども......。)
「「「はい。」」」
「とりあえず、エミルとレミゼは俺と一緒に【アクレシオン】へ行って、領主様を迎えに行こう。」
「はい。ご主人様。」
「エミル......ご主人様はやめとかない?」
「ご主人様はご主人様です。」
「うっ......レミゼを見習おうよ!」
「どうした?ご主人様?」
「ブルータスお前もか......。」
俺は【転移門】を開き、【アクレシオン】へと跳んだ。
衛士が見える場所までくると、エミル達は俺を先導するように入場する列を避け、貴族専用?の門扉があるとこまで歩き、エミルは衛士と二三言葉を交わし、俺にも後に続くように手招きをし、レミゼと共に歩を進めた。
(でかい......さすが領主やな......)
巻き込まれて、婚約者が増える。
次回は森の魔女とは?