貴族に巻き込まれました②
さぁ盗賊をやっつけよう!
俺は盗賊全ての意識を奪い、馬車のそばで片足を失くし、右半分の顔面がスプラッタになっている女性と、その女性を必死に回復魔法魔法でいのちを留めようとしている女性に近づいた。
(盗賊の方あ1〜2時間は起きひんし、まずはこの嬢ちゃんやな......顔面パックリと斬られとるな......あぁあ......中級回復魔法やったらあれほど損壊したら傷も残るし、足ももどらんのに......やっぱ女性の涙に俺は弱いなぁ....)
「お嬢さん、お嬢さん!」
「いや!レミゼ...いや...」
[パシンッ]
「あっ....貴方は....何「俺が助けるからどいて.....」をするの...助けられるのですか?何でもします。お願いだから助けて下さい。」
(おお......何でもしてくれるか......でも身なりからやと貴族っぽいから面倒くさそうやな......)
「完全なる癒し!」
俺は回復魔法でも最上位の魔法、生きてさえいれば四肢欠損でも何でもかいふくする事の出来る魔法を唱えた。
※回復魔法は初級、中級、上級、最上級とある。
風と水の聖の属性魔法にいずれも効果が同じような回復魔法があるが、最上位は聖魔法にしか存在していない。
倒れる女性は、光に包まれると顔の傷も消え、足すら元のままの状態へ回復していた。
いきなり傷も戻り、意識を戻すとも痛みの記憶?倒れていた女性は何かを叫んで気を失った。
脈拍を確かめるも、正常で、呼吸も安定しているので大丈夫だろう。
貴族っぽい女性を見ると、悲痛な顔で俺を見つめ涙を流していた。
「ごめんなさい。ごめんなさい.....ごめ....な....さ.....。」
なんでか俺ははこの貴族っぽいお嬢様にありがとうではなく、謝れている光景に俺は意味がわからなく、なんとかお嬢さんに女騎士はもう無事だから泣き止むように必死に伝えた。
何度も謝るお嬢さんに必死に対応している最中に、ようやく俺に気付いたお嬢さんは、俺を見つめ......
「生きてる.....なぜ.....。」
(え?俺に死んで欲しかったの?このお嬢さんは......助けなきゃ良かった....まぁここまでやって何かあったら後味悪いし、やることはやっておこう。」
「え〜と......生きててごめんなさい。で何かロープみたなのあったら欲しいのだけれど......盗賊縛り上げときたいから.....。」
「あっ....ごっ、ごめんなさい。生きててありがとうございます。ロッ、ロープでしたら馬車の中の荷造りしている物に結構な量を使っていますのでそちらをお使い下さい。」
俺は馬車の荷物から結構な量のロープを手に入れ、盗賊を連なって縛っていった。
簡単言うと、手を縛り、胴体に固定して次の盗賊を縛り上げ、電車状態になるように縛り上げた。
その数.....68名.....盗賊の装備?もちろん全部取り上げ、俺のストレージの肥やしになりました。
縛り上げ終わり、貴族っぽいお嬢さんの元へ戻ると、意識を失っていた女騎士は意識を取り戻しており、お嬢さんに状況を聞いているっぽかった。
俺がそばに到着するなり.....おぉ....見事な土下座....
「助けていただき、ありがとうございます。私の名前はレミゼ・フォン・アシュレイと申します。エミル様付きの騎士兼侍女をしています。助けていただいた代価として私.....いや私の家でも代価を支払う事が出来ません。この身を奴隷へと落とし、貴方様へ生涯お仕える事で許していただきたい。ただまだ、お嬢様をお送りする道中、恥を忍んでお願いします。必ず無事におくり届ける事が出来ましたら貴方様に忠誠を誓いますので、【アクレシオン】まで護衛の列に加わってくださるようお願い申し上げます。」
レミゼという女騎士は俺に対して、土下座スタイルで一気にまくし立ててきた。
(奴隷で生涯って.....そんなすごい事をしたかぁ?俺....)
「賢者様、私もレミゼを助けていただいた代価として、私もレミゼ共に奴隷とし、生涯をかけお仕えする事を誓います。」
エミルという貴族っぽい少女も土下座して奴隷になると誓いを立ててきた。
(おう......こっちも土下座.....って賢者様って誰?)
「なりませぬお嬢様、侯爵家の1人娘でもあらせられるお嬢様が奴隷などと、私だけでは代価として足りない事は承知していますが、お嬢様まで....」
「レミゼ.....貴女の気持ちはうれしいですが、私も貴女の助命を賢者様にお願い申し上げ、禁呪とされている代償魔法を使用して貴女を救って下さったの。私は貴女の助命を懇願した代償として私の身も捧げます。」
と二人は俺の奴隷になるとか言い争っている間に俺は逃げていた馬を気配察知で見つけ、馬を連れ戻し、馬車へ固定し、簡易な即席車輪付き馬車を作成、そしてエミルという貴族の馬車へ連結し、盗賊を放り込んだ。
檻付き馬車?土魔法で強化し、3分クッキングより簡単に作成出来ました。
「あのぉ.....奴隷がどうだこうだは後にして、とりあえず街まで護衛しますので急ぎ向かいましょう。」
俺は馬車の準備が終えた事を指し示しながら伝えた。
「馬車の準備まで、本当に申し訳ございません。お嬢様、魔獣の少ない街道とはいえ、夜になると危険です。お言葉に甘え、、街へ急ぎましょう。」
「わかりました。道中よろしくお願いします。」
俺はなんとか、この面倒臭い状況を抜け出し街へ向かう事を了承させる事に成功した。
レミゼが御者台に座り、俺とエミルは中に並んで座るのを確認すると、馬車を進ませた。
流石6頭立ての馬車、盗賊をしこたま積んだ檻付き馬車を牽引しているにもかかわらず、力強い脚力で進み出した。
「え〜と、エミル様。」
「エミルです。」
「はい。エミル様それ「エミルとお呼びください、賢者様。敬語も入りません。」で......え〜と、じゃあエミル。」
「はい。賢者様。」
「その賢者「「おいっ!俺たちをだせぇぇぇ」」様ってな「「黙ってないで、俺たちをだせぇぇぇぇ。」」に?ってあ〜もううるさい!沈黙の調べ!!」
俺は、目を覚ましたのか煩い盗賊の檻に向かって馬車から身を乗り出し、沈黙の呪文を唱えた。
盗賊は何か叫んでいるようだが、何も聞こえない。
流石おれ!
※沈黙の調べ
闇属性の魔法の一つで相手の声を奪い去り、魔法の使用を出来なくする呪文。
対象となる相手の精神力に自分の賢さが倍以上の開きがある際に効果を発揮する。
理論上範囲で効果を及ぼす事も可能だが、範囲内の精神力を足した数と倍以上の差がないと発動しない為、範囲で詠唱する事はされない。
ゲーム時代では範囲詠唱が当たり前ではあったが、対プレイヤー戦では効果がない事が多く、使用される事が少なかった不人気魔法の一つだった。
「流石、賢者様です。」
何を持って流石かはわからないが、俺はエミルがずっと俺をさして賢者と言っている疑問に答えて欲しくて聞いてみた。
「エミル。俺が賢者っていうのはどういう意味か教えて欲しいのだけれども。」
「はい?賢者様は賢者様では?」
「いや.......なぜ賢者なのか知りたいのだが......。」
「禁呪でもある、聖属性の代償魔法【完全なる癒し】を詠唱もなく唱えるところと、本来なら詠唱者本人の命と引き換えに完成する魔法を唱えても、ご無事でいらっしゃるところです。」
「え?命と引き換え?」
「はい。遥か昔に存在された賢者アークライト様以外で、代償もなく唱える事が出来た方はおられません。賢者様の存在は歴史に500年にもわたって存在が確認されていますので、不老不死とも言われています。現在はそのお姿は、賢者様のお住まいになる【イージスの塔】にも確認されておりませんが、旅をされていたのですね?」
(まさかの賢者説明から、俺が賢者と断定しやがった......【アークライト?】【イージスの塔?】あれ?聞き覚えが.......)
俺は自分を詳細に鑑定してみた。
レベルMAXの神眼を使っての詳細鑑定だ!見えないものはない。
名前:シド・アークライト
Level:31(20UP)
種族:ハイロード
称号:大賢者・剣神・武神・癒神・神を越えし者・世界の理を外れし者・異世界人・トラブルホイホイ・ハーレムクリエーター
加護:機神【阿修羅】の寵愛
体力:22921(19809UP)
魔力:30538(25998UP)
力:23033(19609UP)
精神:19895(16938UP)
素早さ:25487(21669UP)
賢さ:34359(30157UP)
運:420(20UP)
残SP128ポイント
スキル
◯片手剣LevelMAX
◯刀LevelMAX
◯二刀流LevelMAX
◯投擲LevelMAX
◯格闘LevelMAX
◯身体操作LevelMAX
◯回避LevelMAX
◯気配察知LevelMAX
◯火魔法LevelMAX
◯水魔法LevelMAX
◯風魔法LevelMAX
◯土魔法LevelMAX
◯聖魔法LevelMAX
◯闇魔法LevelMAX
◯身体強化LevelMAX
◯体力増強LevelMAX
◯体力回復量増加LevelMAX
◯魔力増強LevelMAX
◯魔力回復量増加LevelMAX
◯消費魔力軽減LevelMAX
◯必要SP軽減LevelMAX
◯異世界言語LevelMAX
◯隠蔽LevelMAX
◯必要経験値軽減LevelMAX
◯成長速度LevelMAX
◯自動地図作成LevelMAX
EXスキル
◯状態異常無効LevelMAX
◯詠唱破棄LevelMAX
◯機神一体LevelMAX
◯神眼LevelMAX
(あっ.......思い出した.......)
※機神戦記のオフラインモードでは、クリアすると、自身の管理する塔を機神から与えられ、塔の上から世界を見下ろして終わるシーンがあった。
(あ〜大賢者って俺っぽいな.....やっぱこの世界は機神戦記の世界なんかなぁ.....?とりあえずなんて誤魔化そう......)
突然無言で思考の海に潜っていた俺だが、黙り込んだ俺に対して、気分を害してしまったと思ったエミルは、再度俺に謝罪をしてきた。
「私の言動にご気分を害される事がございましたでしょうか?申し訳ございません。」
「あっ...いや、ちょっと考え事をしていただけだよ。」
安心した表情のエミルを横目に見ていると、御者台からは安堵するような吐息が聞こえてきた。
俺は、他愛のない事に話しを切り替え、エミルの学校生活などを聞きながら馬車の背もたれに身を沈めた。
4時間ほど馬車に揺られたところで、本日の宿場町にたどり着いた。
馬車の紋章を見た衛兵は、エミルから懐刀を受け取り、紋章を確認すると懐刀をうやうやしく返し、街中へ進むよう、レミゼに伝えた。
レミゼは馬車をゆっくりと街中へ進めた。
俺は、新しい街並みに感動しながらも、【阿修羅】【賢者】【イージスの塔】キーワードから、今後自分がどう動くべきか考えていた。
.....そう、トラブルホイホイの称号の悪運に気付かずに........
書き慣れないもので、どう書いていいかご指摘や感想、アドバイスをお待ちしています。