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我がま魔女!  作者: 青丸 マコト
魔女っ娘、復活!
5/10

旅立ち

「ここから南に下っていけば、大きな城壁が見えるはずじゃ。そこがこのあたりで一番大きい街、マッシ城下じゃ。」

朝になりタヌシの爺さんに道を教わり、食料も分けてもらった。目が覚めても、ゴリラのままだった。やっぱり昨日の事は夢じゃなかったのか…。


「歩きだと二日はかかるぞ」

「二日~?無理~。おい、ゴリラ、馬は用意できんのか?」

「ウマ~?そんなのどこにいるよ?」


「わしの住んでた村に行けば、馬くらいならあるじゃろうが…、方向は真逆じゃなあ。」

「そこは服屋はあるのか?」

「いえ、本当に小さい村で…。マリア様にご満足いただけるような服はちょっと…。」

「じゃあ、嫌。」

こいつどんどんワガママになっていくなあ…。


「いい、いい。歩いて二日だろ?俺なら一日あれば着けるよ。」

自慢じゃないが、体力だけは自信がある。飯も腹いっぱい食べたし。


「まあ、確かに馬に乗るのも、ゴリラに乗るのも大差は無いかもしれんな。」

「…乗せねえよ?お前も歩け。」

「ほう、ずっとゴリラのままでいたいのか?」

「…クソガキ…。」

仕方なく抱っこしようと、手を伸ばす。


「無礼者が!」

手をピシッと叩かれた。

「跪くんじゃ、わらわが乗り方は決めるわ。」

「へいへい。」

跪くとマリアは頭の上に乗ってきた。

「お前、頭はやめねえか!無理だろ、そんなとこ!」

「良いから立たんか!」マリアは髪の毛を引っ張って催促する。

このガキめ!思い知れ!

俺は勢い良く立ち上がった。


「おお、無駄にでかいだけあって、良い眺めじゃなあ。」

あれ?重くねえぞ?子供ってこんなに軽いものなのか?しかも全然驚いてねえ。

確かに頭の上にいる感触はあるんだが、こいつどうやって乗ってるんだ?

「よし、いつまでもこんな田舎にいてはわらわの品は損なわれるわ。下僕よ、出発じゃ。」

意地悪して頭を振ってみた。

「このたわけが!乗りづらいわ!」

頭をゴチンと殴られたが、落ちそうな気配はなかった。本当にこいつどうやって乗ってるんだ?


「ではマリア様、お気を付けて。わしも足腰が丈夫ならばついて行きたいのですが…。」

「よいよい、お主は今までどおりわらわの寝床をきちんと見ておいてくれ。」

「え、あそこってそんな大事なのか?ただの枯れた森じゃないのか?」

「馬鹿者、あそこはわらわの土地ぞ。いつかはあそこにでっかい城を建てるんじゃからな。」

そうなんだ。


「それからくれぐれも魔女の力は、お控えください。今の時代、魔女と分かればどのような事があるかわかりませんから…。」

「ほう、それはどういう事じゃ?」

「今の時代は魔法は伝説やお話の中の事なのです。しかも魔女は悪しきものだったとするのが今の世の流れなのです。」


「確かに俺自身魔法なんてものは信じてなかったし、俺が知っている物語でも魔女はだいたい悪者だったからなあ。」

「ふむ、覚えておこう。」

「いや、だったらこれ解けよ!思いっきり魔法でゴリラになってるじゃねえか!」

「お主は元に戻っても、ほとんど変わらんじゃろ?見栄えが気になるなら、顔を隠しとけ。」


魔女の従者はゴリラって初めて聞くぞ。もっと格好いい動物にしてくれ…。

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