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episode1

 次の日。

 朝起きて小山田がサイトをチェックすると、投稿した小説に対しもう書き込みがあった。その数十二件。結構な数である。

 きっと出版社からの書き込みに違いない!

 小山田は期待に胸を膨らませ早速コメントを見た。

 そして、彼の目に飛び込んできたのは、

「このパクリ野郎!」

 であった。

「は?」

 小山田は、首をかしげる。

 一体何なんだこの書き込みは? 出版社の人間がこんな失礼極まりない書き込みをするとはどう言うことだ?

 もちろん実際に書き込んだのは出版社の人間では無い。この「小説家になろう」を利用する一般読者だ。だが、このサイトに投稿すれば出版社の人間が読んでくれるものだと思い込んでいる小山田は、なぜこんな書き込みがあるのか理解できなかった。

 他にも、

「単に某有名漫画のキャラクターの名前と設定を変えただけじゃねーか! こんなもの載せるんじゃねー!」

「よくこんなものを自分のオリジナルだなんて言って投稿できますね。頭おかしいんじゃないですか?」

「管理者に通告しました。即座に削除して下さい。これは原作に対する冒涜行為です」

「死ね」

 など非難轟々の嵐。当たり前である。

 だが、自分の犯した罪に気がついていない小山田は、書き込みに対し激怒した。そして、怒りに身を任せ反論を書き殴った。

「これは僕が考えた、れっきとしたオリジナル小説です! 決してパクリなんかじゃありません! 失礼な事を書かないで下さい!」

「ふざけるな馬鹿野郎! これのどこがオリジナル小説なんだよ! どっからどう見てもパクリじゃねーか!」

「何を言っているんです! まず、キャラクターの名前が違うでしょう! 設定だって海から山に変えているし! あなた方は、ちゃんと僕の小説を読んで言っているんですか!」

「自分から設定を変えているって言っている時点で、パクリと認めている事実に気が付いていない件について」

「だいたい僕の書いた小説に、あなた方は何の権利があってそんな事を言えるんだ! 名誉毀損で訴えるぞ!」

「その前にあなたが著作権侵害で訴えられると思います」

「訴えられるものなら訴えてみろよ、バカヤロウ! 日本国憲法第21条第1項において『集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する』と規定されているんだ。僕は間違っちゃいない!」

「死ね」

 激しい口論が続き、コメントとアクセス数がうなぎ上りに増加する。

 そして、サイトは炎上した……。

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