星の処方箋
「今日もお疲れ様」
いつものサロンで私は疲れ切った彼女を迎えた。彼女は、いつもの席に静かに腰を下ろした。
タロットカードを広げる前に私は分かった。彼女のオーラが、微かに悲鳴を上げているのが分かった。
「もう…ダメかもしれません」
カードは「節制」の逆位置。バランスを失い、心と身体が噛み合っていないサイン。
「大丈夫よ。今のカードはこう出てるけど、ホロスコープではちゃんと木星が健康ハウスに入っている」
「身体が労わってって、メッセージを送っているのね」
「そうなんですね」
彼女は不安な表情。
「そうだ、私ね、紹介したい人がいるの」
翌週、私は彼女を連れて近くのクリニックへ行った。自律神経の専門家。彼が語る医学と、私が読む星のメッセージは、驚くほど似ていた。
「では、4秒吸って8秒吐く」先生が指導を始める。
数分後、彼女の表情が変わった。
「朝は白湯を、夜はストレッチを。そして腸内環境を整えて行きましょう」先生は彼女に伝えた。
「そう。第2の脳は腸。占星術では乙女座が司る場所なの」
「ちょうど今、乙女座に重要な星が入っているから凄く腸のケアが大切なの」
「なるほど」彼女は素直に頷く。
「朝日を浴びて体内時計をリセットするといいですね」先生が言う。
「太陽のエネルギーを受け取る時間が朝7時から9時が最高ね」私も続けて言う。
2人の勢いに彼女は驚いた。
「先生たち息ぴったりですね」
1ヶ月後、彼女は別人のように輝いていた。
「不思議です。占いと医学ってなんか似てますね」
私はタロットカードを並べながら微笑んだ。
「あのね、私は星を読んで、先生は身体を読む。読んでるものは同じ「あなた」という存在」
窓からは綺麗な星が囁いている。
「すべては、バランスが大切だということ」
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