黄昏の大地
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
第二の故郷に帰る為、本日は少々遠出をさせていただきます。
私は下り行きのホームで薄ぼんやりと電車を待っておりました。何せ久方振りの帰省です。少しばかりの緊張、不安を胸に秘めながら、そっと乗り込みます。
休日、だからでしょうか。それとも何時も利用している列車では無いからでしょうか。圧倒的に人が少ないのです。普段は座席に犇めきあった人々が立ち上がるのを、内心手を振って出送っていたのですが……。今は真逆。座席に疎らに散った人々に混じり、私もこの列車の背景として溶け込むばかりでございます。
鞄の中を漁り、文庫本を開きます。電車を揺籃として没頭致します。人知れない電車に乗り込んで、見知らぬ街を彷徨うという内容。何だか今の私の状況と相まって、普段と違う喜びが胸を掻き回します。
ふと、顔を上げて車窓を眺めると、寒空の元に黄金風景が広がっておりました。無粋な混凝土はまずありません。広がるのは金色の枯尾花。時折そよ風に揺られて、はらはらと穂を落とします。その光景が余りにも美しくて、また共に乗車なさった陽炎の方々と相まって、思わず息を飲みました。
映画の中でしか見た事がない、現実的でありながら何処か空想的な景色。喧騒の土地ではまず見る事が叶わない幻の大地。少しばかり手段を変えただけで、こんなにも世界は変わるのですね。
その後は暫く車窓をつらつらと眺めておりました。全ては脳裏に、目に焼き付ける為。
広がるのは、私の第二の故郷。人々が目まぐるしく移動する都会も大好きです。きちんと見ていないと、次には万華鏡の様に姿を変えてしまいますから。それもまた醍醐味。けれども静謐な、黄昏の世界を見るのも大好きです。不変という言葉は存在しませんが、今この一時だけはそれが実現した気がして。
今は冬という間柄、広がる景色は荒野ばかり。けれどもそれが春だったら?夏だったら? 今度はまた違う景色を私に見せて下さいますでしょう。春はきっと、薄紅の世界が、夏はきっと若草の世界が。あぁ、世界はこんなにも美しい。
故郷に帰る時って、車窓が醍醐味だと思ってます。
都会じゃまず見られない風景なんで。
黄金の田園風景を見るのが好きです。
乗りなれてない電車で迷う事、多いと思うんですけど。
そんな時は電光掲示板を見るのが間違いは少ないです。
あれで行き先確認するのが一番です。
バスの場合は正面の行き先。
あれ、本当に正義ですよ!!
※電光掲示板見ずに突っ走って、迷子になった経験者が語ります。