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2nd キオク
気がつくと赤く染まった場所にいた。血のような赤。
「この部屋を見て何か思い出さないかい?」
そいつは言った。
頭の中にたくさんの風景が浮かぶ。帝国の将軍として罪のない民間人を何人も殺してきたこと、何人もの仲間をこの手にかけてきたこと。
そうだこの赤色は僕が殺してきた人たちの血の色。ここは僕が殺した人たちの怨念が集まる場所。そう感じた。
「君は若くして帝国の将軍になりました。洗脳によって大魔皇様に操られたとはいえ戦場で兵士を何人も、町で民間人を何人も、狂乱して仲間を何人も殺しました。それでも大魔皇様は君を罰することはしなかった。そして君にはある異名がつけられた。
―染血将軍―
でもねそれをしたの君じゃないんだ。安心したまえ。」
「どういう意味だ!!」
「知りたいのなら教えてあげるよ。アレをしたのは僕さ。君の持っている記憶のほとんどは僕の記憶なのさ。君は記憶を改竄されたんだ。かわいそうに。罪は君がかぶってくれたから良かったけどね。」
「きさまっ!!」
そのあとのことは記憶に残っていない。気がつくと最初にいた場所に戻っていた。