表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

燃えるジョウゲンジ

阿坂城。阿坂から南に向かっていくと大河内城があり、そこから北東の方角に細頸城。細頸城の東に大淀城。大淀城の西に五箇篠山城……


細頸城の次は阿坂城へ。

この城は阿坂山の頂にあり、シオンたちは頂を目指して山を登っている。

 途中、立派な建物があった。何やら宗教的なものらしい。


「ジョウゲンジです」


家来のホシアイサエモンノスケによると、数代前のキタバタケマサカツが開いた寺だという。


「御所様、かなりお疲れのご様子にお見受けします。寺で休憩しましょう」


言われてみれば、少し疲れていた。

というわけで、シオンたちはジョウゲンジの門をくぐった。


◇◇◇


 進んでいくと、複数の僧たちが手に火を持っていた。彼らは建物を囲むように薪を積み、今にも燃やそうとしていたのだった。


「何をしているのです?」


シオンが声をかけると、その中で一際佇まいが美しい若い僧が答えた。


「これは大河内様。わざわざお越しくださったのですね」


深々とお辞儀をすると、


「敵襲に備えて、これから寺を自焼いたします」


と言った。


「え、自分で焼いちゃうのですか?」


「この寺を敵に獲られ、陣を置かれては困りますからね。ならば、己の手でこの場所を潰してしまった方が得策……」


「なるほど…」


そばにいるホシアイサエモンノスケにこっそり訊くと、この若い僧の名は「高雲コウウン登祝トウシュク」といい、ジョウゲンジの一番偉い人らしい。


「ちょうどよかったと言っては何ですが……大河内御所様、ご相談したい事がございます。寺の宝物についてなのですが…」


高雲コウウンが申し訳なさそうに切り出した。


「寺の宝物?」


「はい、初代から伝わる大切な宝物です。織田に奪われぬように、どなたかに預かってほしいのです」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ