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第1話


「…さて、これからどうすっかな?本当に惑星を吹き飛ばしてもいいが、これ以上退屈になるのもな…」


俺は呟いた。


「ぐふっ……ミー…正気に…戻…れよ…」


「…まだ生きてんのか?さすがは勇者様だな?」


俺の適当に放った蹴りにより、上半身と下半身が喧嘩別れしていると言うのに、まだ生きているのはさすが勇者と言うべきだろうか?


「さて、勇者の仲間も20年近くは時間潰しにはなったがな…次は俺が魔王バージョン…いや、ダメだな。世界征服しない方が逆に難しい…。前回は…たしか3億年ぐらい前はシェリーに勇者役をして倒したことにしてもらったが、完全に自作自演だしな…」


もはや、勇者には全く興味がなくなっている俺はぶつぶつとそんな独り言を呟く。


その時だ。


「…マスターのご命令とあらば、私はいつでもお付き合い致します。マスター、お迎えにあがりました。城にて、宴の準備ができております」


禍々しい気配を放つ1人の少女が現れたのは…

頭部から突き出る漆黒の二本の角にはまるで血管のような真っ赤な紋様が浮かんでいる…


虫の息だった勇者の目が見開かれる…


「!?っ、……こ…黒…龍天…シェリー・ミドー……だ…と!?」


その瞬間、少女…

黒龍天シェリー・ミドーはギロリと勇者を睨む…


「ウジ虫如きがマスターより与えられし、私の名を気安く呼ぶな」


その生物としての格を根本から理解させる圧倒的な殺気に勇者は押し黙るしかなかった。


その様子を見て、シェリーもすぐに勇者に興味を失うと、シェリーは俺の前に跪く。


「人化状態できたのか?それも、その見た目で…」


「はっ、この姿がマスターが、1番私を愛してくださる姿だと心得ております」


見た目15歳程度の東洋系美少女のシェリーは跪いた状態のまま、そう答えた。


「…傍目から見たら俺、ロリコンじゃ……いや、黒歴史よりはまだロリコンの方がマシか」



黒龍天シェリー・ミドー…


現在は、数多の竜神、竜帝、竜王たちの頂点に君臨する、俺に次ぐ、この世界No.2の化け物だが、彼女に最初に出会った頃は…もう30億年以上前だが、ようやく人化できるようになった、中位竜だった。


問題はその人化した姿だ。


クラスで俺が好きだった子…

御堂朱莉ちゃんにそっくりだったのだ。


当然、一目惚れした俺は…


うん…この話はやめよう…


黒歴史の結果、この世界の約半分を支配する、黒龍天を生み出した話なんか、話したくもない。




「アホくせー。シェリー、帰るぞ?」


「はっ、では、私の背中に………それとも転移を使われますか?」


シェリーの少し不安そうな表情…

俺は龍化した、全身に血管のような紋様が浮かぶ、禍々しい姿のシェリーの背中に乗る…

それだけでシェリーは、上機嫌である。


「マスターと空の2人旅〜♪」


虫の息の勇者を残して、俺とシェリーは大空へと飛び立つ…


俺に対しては甘々…

他者に対しては冷酷無比な…

まあ、この性格も俺が育てたのが原因だろうが、そんな黒龍天の背中に乗って…

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