57話 再戦
3回目の掲示板回を読んでから読むとわかりやすいと思います。
掲示板回を読んでいない方はこの機会に是非読んでみてください。
「アイちゃん!どこにいるの!?」
周りの人には申し訳ないが、森の中を大声で叫びながら走り続ける。
しかし、アイちゃんは見つからない。
「そうだ、メッセージ!」
走り疲れてきた私は1度立ち止まってスマホを取り出してアイちゃんにメッセージを送ろうとする。
するとそこにはアイちゃんからのメッセージが残されていた。
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ヘンナヤツツカマッタタスケテ
ヘンナヤツコワイ
ガタガタガタガタ
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見つけた時にブルーベリー色の巨人になってたりしないよね?
.....冗談は置いておいて、メッセージ送らないと!
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アイちゃん、今いる場所わかる?
わからないなら捕まった場所だけでも教えて!
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そのメッセージを送ってすぐにアイちゃんからメッセージが返ってくる。
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ボチ
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え、ポチ.....じゃなくて墓地!?
とりあえず急がないと!
.....ところで墓地ってどっちだろ?
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「ああああああああぁぁぁ!くそっあいつ来ねえじゃねえか!こいつが死んでもいいってか!?」
海月がアイちゃんからのメッセージを確認したのとほぼ同じ時、墓地に叫び声が響き渡っていた。
厨二病に罹患していることが明らかな装備で身を包み、墓石に縛り付けた不気味なモンスターを鷲掴みにしながら叫ぶ男。
そんな明らかな地雷にわざわざ近づこうとする人もおらず、男の周囲はここが人気狩場である墓地とは思えないほど静まり返っていた。
「くっそ、むかつくな絶対殺す!どいつもこいつも俺のことを笑いやがって.....死ね!全員死ね!」
再びそんな叫びをあげる男の前に、1人のプレイヤーが現れた。
「.....よぉ、名無し。うるさいから来てやったぜ?」
「ようやく来たか!さあ、こいつが壊されたくなかったら大人しく死ね!今すぐ死ね!」
名無しはアイちゃんを掴んでいた手に力を込めながら迷彩服.....クロウにそう叫ぶ。
「メッセージでも送ったがよ、そいつは俺のじゃねえんだわ。人質にはならねえぞ」
「騙そうとしたって無駄だぞ!確かに森でこいつを連れてたのを見たぞ!」
「そりゃ俺が殺り合った相手のだ。もう1人いただろ?そいつのだよ」
「.....なら壊れてもいいよなぁァァァァァ!」
クロウの制止を聞かず、名無しはアイちゃんを掴んだまま右手を口元へと運ぶ。
そんな名無しの動きの動きを止めたのは他ならぬアイちゃん自身だった。
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オレオイシクナイ!
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突然眼前にメッセージが現れた名無しは、一瞬だがその動きを止める。
「お、やるじゃねぇか!」
その隙を逃さずうち放たれたクロウの矢は名無しの右手を貫き、アイちゃんを解放することに成功した。
「後は俺に任せてご主人様のとこに帰ってな」
クロウはそうアイちゃんに呼びかけるが、アイちゃん
は名無しの上空で止まり、メッセージを表示する。
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オマエイイヤツ!オレタタカウ!
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「俺と共闘するってことか?足引っ張んなよ!」
「足でまといをつけるなんて、僕なんか余裕とでも言いたいのか!?殺す!殺す殺す殺す殺す!」
クロウとアイちゃんの結託を目にした名無しは怒り狂ってクロウへと走り、手つけた金属の爪で切りつける。
「前も言ったがよ、お前ちっと直線的すぎだ」
そう言って紙一重のところで名無しの爪を躱し、すれ違いざまに短剣で腕を切りつける。
少し離れたところで制止した名無しは切られた腕を擦りながら叫んだ。
「お前さ、僕のことをなめすぎなんだよ!」
「.....ああ?」
クロウはその叫びを聞き自分のHPを確認する。
すると、確かに最大値だったはずのHPは5%程減ってしまっていた。
「へぇ、伊達にpkじゃねえってか。やっぱ戦闘はこうでないとなぁ!」
「その余裕すぐに消してやるよ!」
一瞬の会話を経て、2人は戦闘を再開する。
クロウは振り下ろされた爪を短剣で逸らし、左手で腰のベルトから1本のポーションを抜き取り投げつける。
それに対し、名無しは残していた右手でポーションを払いつつ体を回転させて連撃を繰り出す。
大ぶりなその一撃を後ろに飛んで避け、クロウは笑った。
「理由はわからねえが爪の先にも攻撃判定があるな?さぁ、次はどうするよ?」
「負け惜しみだね!わかったところで僕の有利は変わらない!」
攻撃を終え、すぐに距離を詰め始めていた名無しはそう叫びながら爪を横に薙ぐ。
しかし、その攻撃はクロウには当たらない。
上空から飛来したアイちゃんが名無しの爪を尻尾で叩き落としたのだ。
前へと倒れ込みながらも名無しはクロウへと爪を振り下ろすが、力が乗っていないその一撃は呆気なく払われ、クロウは無防備な名無しの首へと短剣を叩き込んだ。
「ああ、くっそ.....次は殺す、待ってろ!」
地面に倒れ込んだ名無しはどこか憑き物が落ちたような顔でそう言いながら体をポリゴンへと変えていった。
「なんだいい目してんじゃねえか。また返り討ちにしてやんよ」
クロウは死んだ状態でそこにいるであろう名無しにそう語りかけ笑うと、横で飛んでいるアイちゃんを見て言う。
「あそこからが楽しいところだったんだがなぁ.....いや、いいアシストだったぜ?けどよぉ.....やっぱ俺は1人で殺るのが合ってるんだよなぁ」
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オレクラゲアッテル
クラゲナニモシナイラク
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「ん?.....ああ、あいつクラゲって名前なのか?んじゃあクラゲを探しに行くとするか。お前どこいるかわかるか?」
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モリボチ
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「.....すまん、理解できねえわ」
こうして噛み合っている気がしなくもない1人と1匹は墓地を歩いていくのだった。
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