52話 追放
「パーティーを追放ってどうゆうことだ!」
冒険者ギルドに入った私達の耳に入ってきたのはそんな叫びだった。
叫びが聞こえてきた方向を見ると、そこにはどこかで見たことがある4人組がいた。
「なんでって言われてもお前1週間もいなかったからなぁ.....」
「錬金術ギルドに至っては1ヶ月利用禁止だしよ」
「そうだな」
話を聞く限り、パーティーでのいざこざがあったのだろう。
それにしても錬金術ギルドを1ヶ月利用禁止された人物といえば.....
「ああ、そうかよ!俺は1人でやってやる!後から頼まれたって戻らねえからな!」
そんな捨て台詞を吐いた後、彼は人混みをかき分けて私達がいる入口へと歩いてくる。
そんな彼は私の姿を見て少し驚いたような顔をした後、こう言った。
「ん、海月じゃねえか。冒険者になりに来たのか?」
そう、フレッドである。
錬金術ギルドで問題を起こした結果、あの時組んでいたパーティーから追放されてしまったようだった。
これが小説なら、この後覚醒してざまぁ展開に.....
いや、事情がまともだしそんなことはないかな。
「いや、イベントのパーティー登録に来たんだよ。この魔術師がクウで、騎士っぽい方がラウンド。こっちの怖いおじさんはフレッドさん、変態だけど悪い人ではない.....はず」
そんな私の紹介を聞いて、全員が少し体を引く。
おそらく最後の一言二言にだろう。
「だから俺は変態じゃねえっての.....」
「条件反射だから仕方ないね」
「そうか条件反射か。なら仕方ない.....んな訳あるか!」
うーん、ナイスツッコミ。
え、テンプレ?
人生そんなものだよ。
「それはいいとして、パーティー登録するのはお前ら3人だけか?もしそうなら、俺を入れてくれないか?」
まさかNPCもパーティーに加えられるの!?
それはなかなかすごいシステム.....
とはいえ、私も誘われた側だし私だけで決める訳にはいかないよね。
「私はいいけど、2人はどう?」
「私も大丈夫です」
「我もぜひお願いしたいです」
おおー!
それじゃあ、フレッドさん仲間入り!
「ありがとな!いい報酬貰えるように頑張るぜ!」
「フレッドさん、よろしく!」
「クウです。よろしくお願いします」
「我は暗殺騎士のラウンド.....です。よろしくお頼むます」
毎回思うけどラウンドは大丈夫?
「それにしてもよ、お前呪われたのか?元から化け物みたいだった鑑定アイテムが空飛んでるが.....」
元から化け物とは失礼な.....
いや、作ったわたしが言うのもあれだけど確かに化け物だね。
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バケモノ?
オレツヨソウ?
カッコイイ?
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「うおっ、喋った!?.....ってえ!」
顔面スレスレに突然文字を表示されたアイちゃんの表示にフレッドが驚き、盛大に後ろへと倒れ込んで床で頭を強打する。
フレッドさん毎回倒れてる気が.....
いや、お月見の時は倒れてなかったかな?
それにしてもフレッドさんが驚いている姿見るの楽しいね。
もしかしたらまだ驚いてくれるかもしれないし、説明はしないでおこうかな。
そんなことを考えていると、ラウンドがアイちゃんに近づき、じっくりと眺め始める。
アイちゃんも悪い気はしていないのか、ラウンドから見やすいような高さでくるくると回転していた。
「聞いた通り、かっこいい見た目ですよね……この羽と尻尾、獣らしさがある瞳もいい!そもそもこの虫眼鏡のようなデザインを悪魔にするというセンス.....憧れます!」
この見た目にした私に厨二センスが.....眼球虫眼鏡までは私だけどそこから先はシステムだから!
私が厨二病な訳では無い.....はず。
「いや、このデザインは私じゃなくてシステムが勝手に決めたんだよ」
「そうなんですか。つまり神々の中にも我が同士が.....」
神々?
.....あ、運営のことね。
確かにそうゆうことなんだろうけど!
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ヤッタ!
オレカッコイイ!
ツヨイ!
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突然アイちゃんがそう言った。
メッセージを見た時も言っていたし、アイちゃんはかっこよくなりたいのかな?
次に強化する時があればかっこいいパーツを.....
いや、これ以上なにかするのは難しいかな。
「それにしても、あなたから感じる闇の力、どうやら力を隠し切れなかったようだすね」
なまった?
こんな中途半端になるなら、いっそ仕事辞めた方がいいんじゃないかな理性さん.....
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ナンノコト?
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「とぼけても無駄です。我が邪眼の前に隠し事は無意味!」
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?
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邪眼!?
本当にあったら強そうだけど、アイちゃんの反応からすると多分ハッタリなんだろうなぁ.....
そう考えていると、フレッドがこう言った。
「邪眼は敵にダメージを与えるスキルだぞ?」
あ、本当にあるスキルなんだ!
ぜひアイちゃんに覚えさせた.....
そういえば、口がなくてもスキルって覚えられるのかな?
「.....そんな見方もあるかもしれませんね」
それにしても、この口論はラウンドの敗色濃厚だね。
「実際アイちゃんさんのことわかってなかったよね?」
クウの強烈なカウンター!
ラウンド耐えられるか!
「.........そんな見方もあるかもしれませんね」
あ、負けた。
やっぱり、2対1厨二じゃ勝ち目はなかったみたいだね。




