45話 聖水
ミルさんが案内してくれた場所は、錬金術ギルドの裏手にあった広場だった。
「着きました、これが聖水です」
ミルさんはその広場の隅にある池を指してそう言う。
「この池...ですか?あ、アイちゃん、鑑定お願い」
どう見ても普通の池にしか見えなかったので、思わず鑑定してしまう。
...そもそも、聖水が湧き出る池ってどうなの?
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聖水
神に祝福された水。
邪悪なものを払う力がある。
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「本当に聖水...」
どうやら、本当に聖水でできた池のようだった。
そのことに違和感を感じていると、ミルさんが言う。
「この池はギルドマスターがこの街を作る時に作った池なんです。なんでもアンデットの浄化がめんどくさかったと...」
そっかー。
アンデットの浄化がめんどくさかったのかー。
それなら納得...ええ?
いくらなんでも神に祝福されたアイテムを無限生産って...
「何かがおかしい気が...」
「そうですよね、私もそう思います...」
ミルさんから見てもギルドマスターはおかしいらしい。
ギルドマスターってあのダンディーな人...あ、思い出した!
初めてギルドに来た時にフレッドさんを投げ飛ばしてた人!
...絶対に逆らわないようにしないとね。
「それじゃあ早速聖水を...入れ物作らないとだね」
とりあえず聖水を取っておこうとするが、聖水を入れられるような容器を持っていないことに気がつく。
「...入れ物を作るので、部屋を2時間お願いします」
「...あ、はい。わかりました」
なんというか少し気まずい雰囲気になった気がする。
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「やっぱり容器といえばガラスだけど...」
私はそう言いながら、厚い木材を買っていた。
ガラスなんて小説でも見たことが無いようなものはさすがに作れないと思ったからだ。
「それじゃあ作っていきますか!」
まずは、蓋ように木材を少し切り取り、残った部分の中心をくり抜いていく。
「...機械って便利だね」
ひたすら彫刻刀のようなもので木を削っているが、機械があれば一瞬で綺麗な穴を開けられるのだろうと、改めて機械の便利さを実感できた。
何とか穴を開けた後は、蓋をつけるために口の付近だけでもヤスリで形を整える。
それが終わると蓋用の板を削り、穴より少し小さな太さから徐々に太くするような形の蓋を作る。
最後に蓋もヤスリで形を整えて、鍋で煮れば完成だ。
「アイちゃんお願い」
はっきり言って何か効果があるとは思えないが、一応鑑定はしておく。
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木製の容器
木でできた容器。
液体を保管することができる。
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「これがあれば血とかも取れたり?...使い道があるのかはわからないけど」
また液体を取る機会が来るかもしれないと、もう2本ほど同じものを作っておく。
「よし、できたー!それにしても、せっかくアイちゃんが動けるようになったから喋れるようにもしたいよね...あ、いい事思いついた!」
容器を作っている間、アイちゃんが周りを飛んでいたのだが、それを見る度に話が出来たらいいなぁと思ってしまったのだ。
さすがに何時間も1人で作業をするのはなかなか厳しい。
「残ったトレントの枝を削って...アイちゃん、これ使える?」
私用のスマホを作った時の残りを使って小さなスマホを作り、アイちゃんに手渡す。
アイちゃんはそれを尻尾で受け取ると鍋の中へと飛び込んだ。
「ええっ!」
驚きながらも液体の色が変化していたのでかなり弱めに火をつけ、じっくりと混ぜていく。
すると、すぐに鍋の中からアイちゃんが飛び出してきた。
「ごめんアイちゃん、何か変わった?」
スマホは消えていたが、アイちゃんに変化が起こったようには見えない。
そう考えていると、ウエストポーチから振動が伝わってきた。
もしやと思い、ウエストポーチから全く使っていなかったスマホを取り出すと、そこにはアイちゃんからのメッセージが書き込まれていた。
...これ、もしかしなくても初フレンドがアイテム?
いや別にいいんだけど、何か刺さるものが...
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メノイロ、カワッタ
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「...言われてみると違うね?」
そう言われて改めて見ると、目の色が薄い青になっている。
元の色は覚えていないが。
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...カンテイシナイカラナ
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そんな私の思考が伝わったのか、アイちゃんが拗ねた。
「ごめん拗ねないで!次からはちゃんと見るから!」
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ユルス
キョウカ、タノシミニシテル
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あれ?
いつの間にか強化の約束を取り付けられてた?
それはいいんだけど、これはしてやられた気が...
なかなか悔しいね...




