41話 未知への啓示
ミルさんに連れられてたどり着いた先には、どこかで見たことがあるダンディーな男性が立っていた。
どこかで見たことがある気がするんだけど…
まあ、いっか。
「お久しぶりですね海月さん。早速ですが、ここに呼んだ理由を説明させていただきます」
ダンディーな男性がそう言う。
どうやら相手は私を覚えているらしい。
...どこかに記憶力を高めるアイテムはないかな?
「はい、お願いします」
私がそう言うと、ダンディーな男性は頷き話を始める。
「あなたを呼んだ理由は、錬金術ギルドで設定されていた目標を達成したからです。その目標は一か月以内に空間拡張、鑑定、連絡、転移アイテム、そして魔法玉を作ることです。では、報酬をお渡しさせていただきますね」
ダンディーな男性はそう言うと机の引き出しから一枚の紙を取りだし、私へと手渡す。
「紙?」
それはただの紙のようにしか見えなかったので困惑していると、ダンディーな男性が話し始める。
「それは未知への啓示というアイテムで、その紙に作りたいアイテムの情報を書くとそのアイテムを作るために必要な素材を教えてくれるのですよ。もう作りたいアイテムがあるならここで書いていきますか?もちろん内容は見ませんので」
どうしようかなぁ...
今書くのもいいけど、もう少し考えたらいいアイデアが出るかもしれないし...
少し考えた後、私は答える。
「後で書くことにします」
「そうですか、わかりました。では少しアドバイスをさせていただきましょう。もし、とても手に入らないような素材を要求された場合でも諦めないでください。直ぐに手に入る機会が来ますから。では、これからも頑張ってくださいね」
「はい、わかりました」
私はそう言ってミルさんと部屋を出る。
そして、受付から出るとミルさんが声をかけてきた。
「海月さんはすごいですね。久しぶりにあの目標を達成した人を見ました」
「私は運が良かっただけです」
実際、情報を知らなかったら転移アイテムは作らなかっただろうし、他のアイテムを作れたのもほとんど運だからね。
「運も実力のうちですよ。とにかく、おめでとうございます」
「ありがとうございます。それじゃあまた」
私は少し照れくさくなって、そう言うと錬金術ギルドを後にした。
「はい、また来てください!」
さて...
どうするのがいいかな?
普通に書いたらダンジョンになる未来が見えるんだよね。
やっぱり細かい仕様まで考えないとだから...
うーん...
あ、転移石に書いてある特定のアイテムのことを聞くの忘れてた...
まあ、後でいっか。
そんなことを考えながら、私は宿へと向かっていった。
「あ、ラムネ買わないとね」
宿の前の列を見てラムネを買うことを思い出したのでラムネを買って、宿の自分の部屋に入りアイテムの詳細を考え始める。
「えっと、まずは、ダンジョンじゃなくするところからだから...」
私は1時間程で作りたいアイテムの詳細を考え、それを未知への啓示へと書いていく。
「さて、書き終わった訳だけど、これからどうしたらいいかな?うーん、リリース?」
書き終わっても変化がなかったので試しにリリースと言ってみる。
すると未知への啓示が光を放った。
「うーん、何も変わってないように見えるけど...あ、裏面に書いてあるね」
一見何も変わっていないように見えたが、裏面に新しい文字が現れていた。
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必須アイテム アイテム名/入手方法
・ダンジョンコア/ダンジョン
・大地の祝福/??
・天空の祝福/??
・空間神の宝玉/??
任意アイテム
・大海の祝福/??
・時空神の宝玉/??
・創造神との契約書/??
・制約神との契約書/??
・守護神との契約書/??
・歪んだ闇/ダンジョン等
・聖水/教会等
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「...うん、欲張りすぎたみたいだね」
書かれたアイテムのほとんどが入手方法不明と書かれた紙を見ていると作るのは不可能ではないかと思えてくる。
「神とか祝福とか、明らかにこんな序盤で手に入るアイテムではないよね...」
一瞬諦めようかとも思ったが、少し前に言われた言葉を思い出す。
「そういえば、手に入らないようなアイテムでも手に入る機会が来るって言ってたよね。もしかしてイベントがあるのかな?だとしたらそこで必須アイテムだけでも集められるといいんだけど...」
もし、イベントが来るとしたら報酬でアイテムが貰えるというのにも納得がいく。
まあ、こんなクリア後のやり込み要素みたいな素材が手に入るかどうかはわからないが。
「とりあえず、入手方法がわかってるアイテムから集めていきますか!」
否定的に考えていては何も始まらない。
そう気持ちを切り替えて、私は街へと歩き出した。
「まずは聖水から行こうかな?あの全財産教会のところだよね...」
今から始まるであろう壮絶な戦いを想像しながら...




