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33話 対

赤い渦へと入った先は、月光花が咲き乱れる森だった。

気になることがあるとすれば、道の中心に鏡があるかのように左右の風景が全く同じことだろう。


「さて、進みますか」


いつもの事だが考えても何もわからないので、とりあえず道を進んでいく。

しばらくすると、道の右側から勢いよく木の根らしきものが飛び出してきた。

多少追尾してきたが、距離もあったので余裕を持ってそれを避けることができた。


「危ない危な...いっ!?」


しかし、次の瞬間背中に衝撃が走る。

振り向くと道の左側からも同じように木の根が伸びてきていた。


「鏡っぽくなってるのはこうゆうことだったんだね」


根が戻っていく先からは全く同じ姿のトレントが2体姿を表していた。


「2対1は初めてだね。ちょっと厳しい気もするけど頑張りますか!」


右にいるトレントに狙いを定め、短剣を構えて走り出す。

トレントはそれに反応して地面から三本の根を伸ばしてきた。


「全速前進っ!」


後ろからも同じように伸びてきているであろう根に対し、私がとった行動はひたすら前に進むことだった。

追いつかれなければ後ろからくる根は無視できるという考えだ。

1本目と2本目をできる限り速度を落とさないように避け、3本目は短剣で逸らし目の前に迫るトレントの幹を切りつける。


「「グゴォォ!」」


すると、2つの鳴き声が森に響いた。

左のトレントを見ると右のトレントと同じ場所に傷ができている。


「これはあれに使えるんじゃない?ふふふ...素材は貰っていくよっ!」


私はそう叫ぶと再び右のトレントに切りかかる。

トレントはそれを受け止めると幹を捻り、枝で私を吹き飛ばした。

鋭い葉が追い討ちのように飛ばされ、前後から襲いかかってくる。

それを見た私は体を丸め、面積を小さくしダメージを抑える。


「痛た...あ、休ませてくれないんですかそうですか」


葉が収まったのを確認し、立ち上がった私の視界に6本の迫り来る根が映る。

最初と同じように前に走って避けるのは無理だと判断し、急いでラムネを食べると1本目と2本目をしゃがんで避け、3本目を短剣で逸らす。

4本目を受けた勢いを利用してその場から離れ、5、6本目を避ける。


「そろそろHPが少なそうだし、回復スキルでも試してみますか。回復!」


どこまでラムネだけで回復できるかわからないので、回復スキルを使ってみる。

すると体が光に包まれ、体の傷が消えていった。

MP消費にもよるが、かなり有能なスキルと言えるだろう。


「おおーこれは便利だね。それじゃあ続きといきますか」


HPを回復させ終わった私は片方のトレントに狙いを定め走り出す。

トレントは同じように根を伸ばして攻撃してくるが、最初と同じように勢いよく片方に詰め寄ることで無事に攻撃を加える。


「「ググッ...グォァ!」」


トレントは悲鳴をあげると体を震わせはじめる。

何か嫌な予感がしてトレントから離れると、トレントの根元から大量の根が槍のように突き出された。

幸い遠くまでは伸びないようで私には当たらなかったが、直撃したらまず死ぬ気がする。


「あのまま攻撃しなくて良かった...」


根が収まったのを見て再びトレントに向かって走っていくと、今度は地面が軽く盛り上がりそこから根が勢いよく伸びていく。

走っていると当たりそうだったので、速度を抑えゆっくりとトレントに近づいていく。


「間欠泉みたいな感じだね」


そんな感想を言える程には余裕があったのだが、次の瞬間その余裕は消える。

上に伸びていた根が下へと降り始めたのだ。


「これは流石にきつくないかなっ!?」


上を見ると根が縦横無尽にはしっており、どこに降ってくるかを見分けることが難しい。

生えてきている根のせいで動くスペースが制限されているため、さらに避けることが難しくなっている。

根が生えてくるのが止まったのが唯一の救いだろう。


「やっ、とっ!」


最初は何とか避けることができていたが、降ってきた根でさらにスペースが狭まりすぐに短剣を使わないと避けられなくなっていく。


「あっ!」


避けきれなかった根が肩を貫いた。

即死はしなかったので、根を切って脱出する。


「左腕が動かないね...まあ、何とかなるでしょ」


しばらくして攻撃が止み、トレントが根を引き戻し始めたのでトレントに近づき切りつける。

トレントは伸ばした根を回収するまでは攻撃ができないのか、抵抗せずにその動きを止めた。


「今日はすごい疲れる日だね...それにしてもこれどうやって解体しようかな?」


トレントの解体方法は習っていないので、適当に解体していく。


「とりあえず枝と根を切り取って。木材は欲しいけど、斧とかないと厳しいよね...」


短剣を使って何とか太い枝と根を手に入れるが、流石に幹の部分は切る事が難しい。

そもそも切れたとしてもウエストポーチに入らないだろう。

そんな訳で幹は諦めてその場に置いていく。

ちなみにトレントは死んでも状態を共有しているようで片方を解体するともう片方も解体された。


「やっぱりこれはいい素材だね。それじゃあ、これ以上進むのは厳しそうだし帰りますか」


トレントとの戦闘でこれ以上進むのは厳しいと判断し、ダンジョンから出ることを決める。

来た道を戻り渦に乗ると、私の体は再び森の広場へと戻って行った。

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